今回は2015年のKickstarterや、クラウドファンディング全般を振り返りたいと思います。
多くのことが起きたので、長くなってしまいました。おもしろかったプロジェクトは別に書きましたので、今回は出来事のみです。
・対応国の拡大
・公益法人化
・規模の拡大
・頓挫したプロジェクト
・日本のクラウドファンディング
・メーカー自体がクラウドファンディング
対応国の拡大
Kickstarterでは、どの国から掲載できるかに制限があります。昨年はアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなど英語圏が中心でした。
しかし2015年になってから、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアなどからもプロジェクトを掲載できるようになりました。主に経済規模が大きいところを対象にしているようです。しかしデンマークやノルウェーなども2014年末に追加されています。
他にGDPが高いところは中国と日本ですが、対応していないのはおそらく法律や言葉が理由だと思います。特に中国はいろいろな面で難易度が高いです。
・Kickstarterがドイツからのプロジェクト作成に対応 他
公益法人化
Kickstarterが、公共の利益を目的とする法人に組織を変更しました。自ら掲げる憲章で、利益の5%を寄付することを宣言しました。
・Kickstarterが会社から公益法人へと変更、利益の5%を寄付へ
また有名なクラウドファンディングサイトであるIndiegogoも、Generocity(寛容)という名前で、個人の寄付サイトを立ち上げました。進学や治療費など、個人的なことを目的としてお金を募ることができる、というものです。(正確に言うと、以前からあったものの名前を変えただけ)
規模の拡大
2015年10月、Kickstarterでプロジェクトに行われた支援金の累計額が、20億ドル(約2400億円)に到達しました。
https://www.kickstarter.com/2billion
Kickstarter創設から10億ドルに到達するまで、4年と10ヶ月かかりました。
ところが、10億ドルから20億ドルまでは1年と7ヶ月しかかかっていません。Kickstarterの規模が急速に拡大していることがわかります。
しかし一方で、大きな問題も起きました。
頓挫したプロジェクト
画像出典: Flickr
Kickstarterの規模が大きくなりましたが、その一方で、4億円も集めたプロジェクトが破綻してしまいました。
・4億円集めた、手のひらに載るドローンを作るプロジェクトが破綻 ZANO
一方Indiegogoでも、1億円を超えたプロジェクトが頓挫してしまいました。
・1億円超えのIndiegogoプロジェクトが頓挫。全額返金は不可能 Robot Dragonfly
またアメリカでは、法的措置がとられたプロジェクトもでてきました。
・Kickstarterの詐欺プロジェクトに、計660万円の制裁金支払いが命じられた
全てのプロジェクトがこけているわけではありませんが、これらの事例は記憶にとどめるべきものだと思います。
日本のクラウドファンディング
クラウドファンディングは海外に限った話ではありません。日本にもMakuake、CAMPFIRE、READYFOR?というようなサイトがあります。
この中でもMakuakeは、大きく注目を集めるプロジェクトが出てきました。たとえばQrioは2500万円集めました。
・日本発、工事不要でスマホからドアの解錠が出来るグッズ Qrio Smart Lock(キュリオスマートロック)
メーカー自体がクラウドファンディング
またSONYがFirst Flightという、メーカーが自らが運営するクラウドファンディングサイトを立ち上げました。
https://first-flight.sony.com/
メーカーが作らない、作れないものを作る、ということが今までのクラウドファンディングにおける要素の一つだったと思います。First Flightはその常識を破りました。発想の柔軟さという意味で、大きな出来事だったと思います。
まとめ
海外や日本を問わず、クラウドファンディングというもの自体が拡大してきています。この傾向が続くのか、それとも一時のブームで終わるのかはまだわかりません。どちらであるにしても、着目に値する社会現象ではないでしょうか?
2016年は何が起こるのか・・。これからも目が離せないと思います。
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