置き忘れ防止のICタグiFind、充電不要の秘密とは?

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追記:プロジェクトが取消処分になりました

置き忘れを防止する、iFindという道具がKickstarterに先日掲載されました。


従来と違い充電不要というのが驚異的で、英語圏で大きな話題になっています。
しかし「本当に充電しなくても使えるのか?」という疑問が多数、開発元に寄せられました。充電一切不要というのを製品レベルで実現したものは今までなかったので、誰もが懐疑的にならざるを得なかったと思います。
あまりにも疑問視する人が多いからか、開発元がちょっとだけ資料を公開してくれました。ただし、コピー品を作られるのを防ぐため、完全には情報が公開されてないです。これは仕方のないことだと思います。
情報ソース(英語) https://www.kickstarter.com/projects/yuansong84/ifind-the-worlds-first-battery-free-item-locating/posts/862285
上記ページではいろいろ議論が起こっているのですが、整理すると以下のとおりです。

電波を収穫する

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公式情報: iFindは2種類の電波を吸収して電力に変換しています。そのうちの片方はWifiです。
推測: もう片方の周波数は秘密になっていますが、VHF(アナログテレビ放送電波)ではないか、という推測が出ています。(デジタルテレビ放送のUHFかもしれません)

消費電力

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公式情報: iFindにはいくつかモードがありますが、離れると音が出るモード(ロープモード)では1秒間隔でチェックします。
チェックしていないときはスリープモードになっていて消費電力を抑えます。1秒間隔モードのとき、平均消費電流は 0.0036 mA です。
解説: iPhone 5Sの「待機」電流は約6.28 mAなので、きわめて小さいことがわかります。2000分の1ぐらいです。(スマホはパワフルなので消費電流が大きいのは当たり前です。これぐらいの電流だよ、という比較です)
なおiFindの動作電圧は逆算すると1ボルトのようです。電圧を下げるのは半導体一般として難しいようです。

充電時間

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公式情報: バッテリーを2種類搭載しています。片方は電池容量が小さく、もう片方は大きいです。1秒間隔モードの場合、充電なしで18日間動きます。
大きい方の電池は、10 dBmの電波入力で1.5時間で充電できます。
解説: dBm(デシベルミリ)というのは電波の強さを表す単位です。 0 dBm= 1 mW(ミリワット)です。
ここで開発元が、10 dBmのWifiが普通です、と書いてしまい誤解が起きてしまいました。スマホのWifi測定アプリで電波強度を調べると、-20 dBmとかそれぐらいの数値が出てきます。10 dBmより遙かに小さいです。
「なにが10 dBmだ?」という話から、「なんで公式は怒ってるんだ?」「いやそんなことはありませんが・・」みたいな話になっています。
開発元は、10 dBmというのはWifiルーターが発信する強さということを言いたかった、とのことです。ルーターは10dBmで出しているが、ルーターから離れると全方向に拡散して電波も弱くなるので、0 dBmぐらいになります。それでも20時間で空から満タンに充電できるとのことです。
20時間もかかるじゃないか!と思いますが、iFindは「常に」充電しています。全然電波のないところに行かない限り、そもそも空にはならないです。バッテリー自体も前述のとおり18日もちます。

まとめ

iFindはWifiの電波を吸収して充電していることがわかりました。もう一つ何かの電波も吸収しています。
少なくともアメリカの電波状態では本当に使えるようですが、企業秘密のため真実は未だ不明です。
筆者も注文したので、届いたら試してみます。しかし受注生産なので届くのは10月ぐらいです。
2014/6/20追記: 充電不要という点についてさらにわかりました。-> 置き忘れ防止のICタグiFind、「充電不要」の限界が判明!

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