POWERUP 4.0は、紙飛行機に電動プロペラをつける改造キットです。しかしあまりにも豪勢すぎて、もはやラジコンです。紙飛行機といってイメージするレベルを完全に超えています。
POWERUPシリーズとは
Powerupというシリーズがあります。紙飛行機に電動プロペラをつけて飛ばすためのキットです。元々のPowerup(1.0と2.0)は、紙飛行機をひたすら前に飛ばすというグッズでした。長時間飛んでくれるので、単純ながらも手で飛ばすことに比べれば面白いグッズでした。
そう、この時はまだ単純だったのです。
その後も改良が続けられ、2017年のPowerup Dartでは、スマホから操縦して宙返りなどのアクロバット飛行までできるようになっていました。胴体は単なる紙飛行機のままです。
紙飛行機をスマホから操縦して宙返りというのも驚きですが、しかし作者の友人からこんな挑戦が投げかけられました。
「そうはいっても、フライトコンピューターを搭載して自動操縦させるとか、紙飛行機じゃないガラクタでも飛ばすとか、そんなのは無理でしょ?」
「その挑戦、受けた」とPowerupの作者(創業者)は答えました。
そうして作られたのが、今回のPOWERUP 4.0です。
4.0の注目機能1 – 双発プロペラ
今回のPOWERUP 4.0は、プロペラが2基になりました。以前は1つだけだったので、この点がまず強力になりました。
プロペラを大きくせず推進力を強化しています。
4.0の注目機能2 – フライトコンピューター
もう一つの目玉はフライトコンピューターを搭載したことです。正確に言えば、コンピューター自体は以前から搭載していました。スマホアプリから操縦するためです。
今回はさらに、加速度計と回転を検知するジャイロセンサーの二つが搭載されました。
センサーを搭載したことにより、風に強くなりました。POWERUPは屋外で飛ばすためのキットですが、外ということは当然風も吹いています。
例えば突発的に横風が吹いて機体が流されることも…。なにせ紙飛行機なので機体が軽く、それだけにちょっとした風でも流されてしまいます。普通なら手で飛ばすものですから、これは仕方のないところです。
ところがPOWERUP 4.0はジャイロセンサーを搭載しており、機体の進路が風で変わってしまった場合、そのことを検知できます。
すると片側のプロペラだけを動かして進路を自動補正してくれます。
元のまっすぐの進路に戻すことができました。これがフライトコンピューターによる自動姿勢制御です。
単なる紙飛行機が、自動姿勢制御までをも装備できる時代となりました。すごいですね!
依然として紙飛行機
確かにすごいだろうが、これは本当に紙飛行機なのか。何か特別な機体ではないのか…。ところが機体自体は本当に紙です。もちろん専用紙ではなく、好きな紙で構いません。
まずは紙を折ります。
後はPOWERUPのクリップ部分で紙をはさんで、取り付けるだけです。ハサミや糊は不要です。
あとは専用スマホアプリで操縦や設定ができます。これで組み立て完了です。
機体は完全に紙で、軽くて翼が作れればなんでも構いません。胴体は正真正銘、紙飛行機です。
自動操縦も可能
POWERUP 4.0は姿勢自動制御だけでなく、自動操縦までついています。スマホアプリで宙返りボタンを押すと…
勝手に宙返りをしてくれます。ハンバーガーを食べながら片手間にボタンを押すだけでも、こんなアクロバット飛行が可能です。
もはやここまでくると、飛行機を飛ばしているというより、何もしていない状態に近いですが…。ホビーとは何か。と、問いたくなります。
強力な姿勢制御のおかげで、紙を折らなくても飛ばすこともできます。黄色の紙に「折るのすら面倒」と殴り書きされています。見たとおり、まったく折っていません。これにPOWERUPをとりつけています。
これでも一応、紙飛行機です。
折ってすらいない単なる紙きれが、ちゃんと操縦できて飛んでいます。
それどころか野菜の葉っぱですらPOWERUPで飛ばせます。ただしそのままだとめくれてしまうので、横方向に骨組みは入れてありますが。
PROキット
PROキットでは、車輪も付いています。
地面を滑走路として走り…
離陸できます。なかなか本格的ですね。これでも紙飛行機ですが。
PROキットではLEDもついています。
夜間飛行で飛行機を見えやすくするのに役立ちます。
さらに米空軍で使われている一世代前の戦闘機、F-22 ラプターの機体もついてきます。
なぜPOWERUP 4.0?
確かに機能はすごいですが、ここまでくると最初から完成済みのラジコン飛行機を買うのと変わらないのでは、という気もします。
完成品ラジコンに比べたPOWERUPはメリットは、機体が紙なのでいくらでも替えが効くことです。破れたり汚れたら別の紙に取り換えればそれで完了です。
材質や形状を変えるのも簡単です。そういったことが低コストでできます。組み立てる楽しさもあるでしょう。
また教育的側面のあるおもちゃとしても使えます。高校の先生から、学校での技術教育にとても役立っている、とのコメントも寄せられています。
もちろんただ単に飛ばして遊ぶ、というだけでも楽しめます。
まとめ
お値段は$49+送料7で、$56(約5,900円)です。
2019/11/1まで支援受付中です。
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