楽しい時間が終わらない。驚異的なボリュームを持つ究極の2D探索ゲーム LA-MULANA 2(ラ・ムラーナ)

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Kickstarterで支援集めが行われた、LA-MULANA 2(ラ・ムラーナ)というゲームがあります。先日クリアしましたのでその紹介と感想を書きたいと思います。
ひとことで言えば、このゲームはとてもおもしろいです。
以下大きなネタバレはありません。トラップの簡単な紹介などはあります。

Kickstarter上でスタート

LA-MULANA 2は、2D横スクロールのアクションゲームです。遺跡を探索してさまざまな謎を解くことが目的です。
対応機種はWindowsとMacですが、Nintendo Switch、PS4、Xbox Oneでの発売も決定しています。
公式サイト: https://la-mulana.com/jp/l2/
LA-MULANA 2は2014年1月にKickstarter上でプロジェクトが公開されました。当初は2015年のリリースを予定していましたが、最終的に2018年7月にリリースされました。しかし遅れた分、とても濃密な内容に仕上がっていると思います。

筆者はkickstarterで支援して、ゲームを入手しました。ゲームが完成した今は通常販売されているので、Kickstarterに関係なく誰でも購入できます。
Windows/Mac版: STEAMにて販売中 https://store.steampowered.com/app/835430/LaMulana_2/?l=japanese

ゲーム内容

LA-MULANA 2は、メトロイドヴァニア(ヴェイニア)と呼ばれるジャンルのゲームです。メトロイドとキャッスルヴェイニア(悪魔城ドラキュラ月下の夜想曲の英語名)を合わせてできた造語で、横スクロール探索ゲームを指す言葉です。
LA-MULANA 2では、プレイヤーはルミッサ・小杉というキャラクターを操作して遺跡を探索していきます。ルミッサ・小杉という名前は前作主人公と関係がありそうな名前ですが、前作を全く知らなくても楽しめます。筆者も前作はやったことがありませんでしたが、何ら困りませんでした。
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グラフィックはドット絵となっています。単にレトロ風味というわけではなく、キャラクターの絵や色使い、建物のデザインは現代的になっています。デザイン自体は新しいですが、ドット絵という描画技法を使っている、という感じです。
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最初から持っている武器は鞭ですが、ナイフや、手裏剣などの各種飛び道具など、様々な武器があります。様々な武器を駆使して、敵を倒しながら遺跡内を探索していきます。
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遺跡には様々な仕掛けがあります。謎の壁画であったり、開け方のわからないドアなどです。もちろん罠もたくさんあります。即死する罠もあります。
なにやら廊下の色が違う回廊のような場所…
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通ろうとしたら柱が落ちてきて即死しました(笑)。
このゲームは死んだらセーブした地点からやり直しなので、即死トラップに引っかかるとそれまでの労力が吹き飛びます。精神的にこたえます。
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宝箱の中には、さまざまなアイテムが入っています。アイテムを手に入れることによって今まで進めない場所が通過可能になったりします。宝箱を見つけたらぜひとも開けたいのですが、罠が仕掛けてあったり、宝箱が見えても到達できなかったりで、簡単には手に入りません。
50種類ぐらいあるアイテムには、すべて何らかの使い道があります。どれも何らかの謎解きに関係しています。ただどこで使うのかゲーム内では直接指示がなく、ヒントから自分で考える必要があります。これがかなり難しいです。こんな場所で使うの?!みたいなものがよくあります。
アイテムを手に入れつつ遺跡を探索し、最終目的を達成するとゲームクリアになります。最終目的が何かはゲーム終盤にならないと明かされません。ゲームの目的自体もすでに謎解きとなっています。
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感想

筆者はこのゲームをクリアしました。感想をひとことで言えば、すごくおもしろかったです。とても難しいゲームですが、その難易度を前提とすれば、お勧めできます。
LA-MULANA 2のどこが一番すごかったのか…いろいろありますが、一番に挙げるとすればボリュームだと思います。
LA-MULANA 2はマップがとても広大で、その中に仕掛けが山ほどあり、謎解きも膨大な数があります。それらは自動生成ではなく、すべて手動で作られたものです。
その数々のエリアを思う存分、探索できる…一つのエリアをクリアしても、プレイヤーの前には依然として謎が残ります。ステージの途中にあったあの開けられないドアは、いつ通れるようになるのか。水の中が通れなくて先に行けない場所が残っているのだが…などです。
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いってみれば、いつまでも終わらないおもちゃ箱です。新しいエリアを探検して宝探しをするという楽しい時間が、なかなか終わりません。エンディングはもちろんありますが、そこまでの時間がとても長いです。
本当に思う存分、探索を楽しめます。探索が好きな人には、たまらなくおもしろいゲームです。次から次へと新しいものが出てくるという意味でボリュームがあり、おもしろいです。
このゲームをクリアするところまで遊べば、どんな人でも「満腹」して満足できると思います。
(下の画像:エリア選択画面。十数個あるエリアはワープで移動できます。移動は極めて快適です)
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筆者はクリアするまでに、さんざん攻略を見て53時間もかかりました。まったく攻略を見なければ倍ぐらいかかっていたのではないかと思います。
ただこの53時間の中には、レベル上げといった繰り返し作業はありません。このゲームには経験値やレベルアップなく、アイテムを手に入れたらパワーアップするシステムです。
ボス戦で繰り返し挑戦したとか、謎が解けなくて時間がかかったというのはありましたが、繰り返し作業というのは基本的にありませんでした。お金を稼ぐぐらいでしょうか。ほぼ常に、新しい場所を探検したり、謎解きをしていました。

難易度

LA-MULANA 2はボリュームが膨大なだけでなく、難易度もとてつもなく難しいです。
アクションゲームとして難しい点はボス戦です。ボスには攻撃パターンがあるので、うまく見切れば倒せます。しかしパターンが分かっていても、なお難しいボスもいます。
下の画像は一番最初に出てくるボス、ラタトスクです。キツネにも見えますがリスです。最初のボスだけあって弱いです。弱いのですが、しかし実は…これにも謎があります。
ボスもたくさんいます。中ボスだけでもかなりの数です。
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しかしアクション以上にこのゲームを難しくしているのは、謎解きです。LA-MULANA 2では多数の謎があり、その謎を解くためのヒントも多数あります。ただし、ヒントが全然違うエリアにあるという点が難しいです。
ネタバレ防止のため実際の謎ではありませんが、最初のエリアに出てくるヒントが…
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全く別のエリアの謎解きに役立ったりします。これが難しいです。
エリアはいろいろな神話に関係したテーマになっており、バラエティがあって退屈しません。下の画像は北欧神話がテーマになっているエリアです。
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ヒントは人物のセリフや、石碑に刻まれているメッセージなどにあります。しかしこのセリフが曲者です。全部全部に意味があるわけではなく、単に自分の境遇を呟いているだけのものもあります。世界観の説明とか、雑談的なセリフですね。
ただし世界観の説明に見えて、実は重大なヒントになっている場合もあります。「これがヒントです」とは言ってくれないので、見極めが大変に難しいです。
また、序盤であの人物が言っていたよくわからないセリフが、まったく異なるエリアの謎解きのカギになっていた。こういうとも多々あります。同じエリアならいいのですが、違うエリアなので連想するのが難しいです。プレイヤーには連想する力が求められます。
確かにすべての謎は、ゲーム内にヒントがあります。うまく関連づけることが重要です。
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またヒントの内容も直球で答えを言っている具体的なものから、何が言いたいのかさっぱりかわらない抽象的なヒントもあります。思わせぶりなメッセージなので何かのヒントであることは確かですが、具体的にどの仕掛けを指しているのか意味不明、というようなものです。
ヒントの読解力というか、なぞなぞを解くときのような勘が要求されます。直球のヒントもあるにはありますが、さきほど述べた通り全然違う場所で役に立つことが多く、やはり簡単には解けません。
これらのことがあって、謎解きの難しさは途方もない高さになっています。
下の画像は、序盤に出てくる石碑に書かれているメッセージ。序盤なのでさすがに簡単ですが、力をふるうものとは何かは明かされていません。
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終盤の謎解きは強烈に難しいです。下の部屋は、多数の石碑にそれぞれ違うメッセージが刻まれています。この部屋に到達したとき、どうしていいかさっぱりわからなかったので、呆然としてしまいました。この部屋の謎を解かないと進めないのですが…。
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しかし全然関係ないエリアにヒントがあるというのは、不自然でもあります。実はヒントがバラバラに散っているのは、ストーリー上の理由もあります。なぜあちこちに文面が残っているのか、この巨大なイグ・ラーナ遺跡は誰が何の目的で作ったのか…。そういった世界設定の謎解きもできます。しなくてもクリアはできますが、そういう楽しみ方もできるようになっています。

どういう人に向いているか

このゲームはとても面白いですが、向き不向きがあります。LA-MULANA 2が向いているのは
・とにかく探索が大好きだ。新しい場所を動き回りたい。
謎解きが大好きだ。難しい謎解きでも根気よく解きたい。
という場合です。
LA-MULANA 2は探索と謎解きに重点があるゲームなので、それらが好きな人が向いています。なおかつ謎解きが難しくてもよいという場合です。
ただ全部自力で解くというのは、相当にハードルが高いです。筆者はさっぱり解けなかったので攻略を見ましたが、それでもなおこのゲームはおもしろかったです。
わからないところは攻略を見て、自分で難易度調整をするのがよいのではないでしょうか。もちろん全部自力で解ければそれに越したことはありません。
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逆に向いていないと思うのは
・謎解きより、アクションゲームがしたい。
・RPGがしたい。レベルをこつこつ上げて、敵を倒すのが好きだ。
という場合です。LA-MULANA 2はアクションゲームなので、ポスとの戦闘などアクションも存分にあります。ただし謎解きの比率が非常に高いので、謎解きよりもアクションを中心にやりたいという場合は、先に進めなくて挫折してしまうと思います。前述の通り、謎はとても難しいです。
またLA-MULANA 2には経験値やレベルがありません。雑魚敵をいくら倒してもキャラクターは強くなりません。遊ぶ人間が上達してボスを倒したり、謎を解いたりしない限り、先には進めません。
この点は経験値制のRPGと明確に違うところです。先に進めなくなったらこつこつレベルを上げて…ということはできません。プレイヤーが上達するよりほかありません。

まとめ

LA-MULANA 2は探索ゲームとして、ある意味では究極に到達したと思います。このゲームにこれ以上マップを追加したり、謎を追加したり、ボスを追加したりすると、プレイヤーの頭がパンクしそうです。
もし新たなパズルを追加しようとすると、同じ仕掛けは繰り返せないため、さらに難しいカラクリにならざるを得ないでしょう。さすがにそれはプレイヤーにとって厳しいと思います。
人間であるプレイヤーがぎりぎり耐えられる容量が、今のLA-MULANA 2ではないかと感じます。もうこれ以上追加できないという意味で、究極の探索ゲームだと思います。
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一方でグラフィックや音楽、設定やストーリーといったテーマは、また違う追及の仕方があると思います。ゴシックホラー、スタイリッシュ、美麗、ファンタジー、和風、現代など、一口に探索ゲームといってもいろいろあります。
またLA-MULANA 2は探索に非常に重点を置いた作りになっていて、ゲーム中のストーリーはほとんどありません(世界設定は山ほどありますが)。ストーリー要素の強い探索ゲームなどもありだと思います。
初代ゼルダの伝説(見下ろし視点ですが)、メトロイド、迷宮組曲にはじまって、悪魔城ドラキュラ月下の夜想曲、最近ではアサシンクリードも探索ゲームの一種になるでしょうか。探索ゲームは、まだまだ終わらないと思います。
PS4やNintendo Switch版も2019年発売予定ですし、興味を持たれた方はぜひプレイしていただきたいです。凄まじく難しいゲームですが、面白いことは確かです。

コメント

  1. 匿名 より:

    MSX版のガリウスの迷宮ぽくて、チクチク楽しんでおります。
    さすがに、キーボードで、umbrella と入力しろとかはないと思いますので、
    地道に解きたい。