Moona(ムーナ)は、冷却装置付きの枕です。寝苦しい夜に頭だけ冷やしてくれます。
この冷却システムは、なんと水冷です。枕を水冷するというすごいシステムです。
開発元はフランスです。
使い方
うまく寝付けずに睡眠が不十分だった・・そんな状態になるとすっきりしませんし、仕事や勉強に集中できません。
創業者の一人ジュアンさん(写真右側)は何年も寝つきの悪さに苦しんできました。そこでなんとか寝つきを改善しよう、ということで作ったのがMoona(ムーナ)です。
寝る前にMoonaのスイッチを入れます。
すると枕を冷却して冷やしてくれます。頭が熱くて何度も寝返りを打ってしまう。それで寝付けない・・という場合に有効です。
クーラーの場合だと体が全体が冷えてしまい、おなかを壊す、寒すぎて起きたらしんどい、といったことも起こります。Moonaは頭しか冷やさないので、そういった問題は起こりにくいと思います。この点はクーラーに対する明確なメリットです。
明け方になると枕の温度を自動で上げてくれるようになっています。これにより自然に目を覚まさせるというのが目的です。
Moonaは、本体(筒状の物体)と冷却パッドからなっています。
まず本体を枕元に置きます。本体の高さは17cmです。すごく小さくもないが、あまり邪魔でもないぐらいでしょうか。
次に冷却パッドです。ホースで先ほどの本体とつながっています。
パッドを枕の中に入れます。枕自体は手持ちのものを使えます。専用の枕は不要です。
設定などはスマホのアプリから行えます。
アプリからは、何時に枕の温度を何度に設定する、といったことが細かく設定できます。
華氏温度(F)で表示されていますが、切歯温度(℃)にも対応しています。
また冷却パッドには加速度計が内蔵されており、睡眠状態を追跡できるようになっています。よく眠れていない場合は体が頻繁に動くので、それを加速度センサーで検知することで睡眠状態を調べます。
睡眠計で一般に使われている機能です。これ自体は普通の機能ですが、あって便利な機能です。枕の温度でどれだけ寝つきが改善されたか調べるにも役立つと思います。
さらに機械学習により、枕の温度設定を自動的に最適化する機能もあるとのことです。自動設定の結果を気に入るかどうかはその人次第という面がありますが、気に入らなければ手動設定すればいいので全く問題ありません。
メカニズム
Moonaは、冷却パッド、本体、その間をつなぐホースといろいろとパーツがあります。最初筆者は、枕を冷やしたいだけなのになんて大げさなんだ、と思いました。ただよくよく考えると、こういうシステム構成になっているのは実は合理的だと思いました。
まず前提として、電気を使って温めることは簡単ですが、その逆は難しいです。手のひらサイズの電気カイロはありますが、手のひらサイズのクーラーというのはないです。クーラーも冷蔵庫もかさばりますが、冷やすということ自体に難しさがあります。
さらに場所と騒音の問題があります。枕の中に直接冷却装置を内蔵するのは、大きさの面で難しいです。枕の高さが高くなってしまうと寝づらくて仕方ありません。また枕元で冷蔵庫のような音が鳴ると、うるさいです。
つまり
・枕をかさばらないようにする
・騒音を下げる
・なんとかして冷やす
この三つを解決しなくてはなりません。そこでMoonaが取っている方法が、「水冷」です。枕の中に水を循環させて冷やす方式です。冷却器と冷却パッドを分けることで、「枕をかさばらないようにする問題は解決」されました。その代わりパーツは増えました。
しかしただ水を循環させるだけだと冷えません。ゴム製の水枕もだんだんぬるくなるように、いずれは体温に近づいてぬるま湯の循環になります。何らかの方法で水も冷やさなくてはなりません。 画像出典: Wikipedia
Moonaは、ペルティエ素子と送風ファンの組み合わせでこれを解決しています。まずペルティエ素子で水を冷やします。ただしこれは熱が水からペルティエ素子に移っただけなので、今度はペルティエ素子が熱くなります。そこでファンで風をあてて、ペルティエ素子を冷やしています。
送風ファンで直接水を冷やしていないのは、冷却効率や騒音の問題ではないかと思います。体温で温まるよりも速く冷やさないと、ぬるま湯の循環になって無意味です。この方法なら水を効率的に室温以下にできるので、水のパイプに直接送風するよりもよい、という結論に開発陣は至ったのだと思います。
この冷却方法により、騒音レベルは開発元の測定で最大25dB程度となっています。エアコンが40から60dBぐらいなので、それよりも静かだとのことです。
動画にMoonaの中身が少し写っています。試作品なので製品版はどうなるかわかりませんが、CPUクーラーのような構造が見えますね。
Moonaを使うには、冷却水が必要です。水道水ではなく純水を使うことが強く推奨されています。
まとめ
お値段は$249+送料$39で、$288(約32,100円)です。
2017/10/27まで支援受付中です。
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