Polysher(ポリッシャー)は、3Dプリンタで印刷した物体をきれいなツルツルにする装置です。
使い方
3Dプリンターは、パイ生地のように層を積み重ねることで物体を作ります。この構造上、層ごとの段差が目立つことがあります。方式や価格にもよりますが、高さ方向の間隔が大きいほどはっきりわかります。
下の画像でも、フクロウの頭の部分に模様ができてしまっています。
これをなんとかできないか・・そこで生まれたのがPolysher(ポリッシャー)です。
3Dプリンターで作った物体・・・
これをPolysherの中に入れて、スイッチをオンにします。
するとテカテカになって出てきました。
どうやってツルツルにしているのかというと、Polysherの中にはタンクがあり、中には溶剤がいれてあります。エタノール(いわゆる普通のアルコール)や、イソプロピルアルコールです。
その溶剤がスポンジに吸い上げられていきます。
超音波で細かい粒にして、ケースの中に拡散させます。超音波を使う加湿器がありますが、ああいう感じではないかと思います。
するとアルコールが3D物体の表面に付着します。アルコールが物体表面をわずかに溶かすので、ツルツルになるという仕組みです。
当然ながら溶かしすぎると形が崩れますし、一部だけがツルツルになっても不自然です。均一にツルツルにできることがうりだ、と開発元は述べています。
この溶剤で溶かすという性質上、印刷の原料も専用のものが必要です。それがPolySmoothです。この原料で作った物体のみ、Polysherでツルツルにすることができます。
FDM型3Dプリンターの一般的な原料である、PLAやABSといったプラスチックには対応していません。
そういった原料の制約はあるものの、仕上がりを見ていると確かにきれいです。うまく光沢が出ています。
拡大してもテカテカしています。
チェスの駒も、買ってきたかのような質感で出ていますね。出力する形状にもよるかもしれませんが。
溶剤にはエタノールかイソプロピルアルコールが使えます。ただしエタノールは酒税がかかるので、イソプロピルアルコールの方が安上がりです。
MagicBox
同様のものは、2014年にもKickstarterに出ていました。アセトンを使って表面を溶かし、ツルツルにしようという装置です。アセトンはマニキュアの除光液に使われることもある、溶剤です。
・3Dプリンターで作った物がきれいにツルツル! MagicBox(マジックボックス)
ただ受け取った人のコメントを読んでいると、思ったようには動いていないようです。1分でアセトンを使い切ってしまった、と書いている人もいます。うまくいかないので、最終的に霧吹きを買ってきてそっちを使っている、というコメントもあります。
まとめ
お値段は$229+送料$80で、$309(約34,300円)です。
750gのPolySmoothが付属しています。
溶剤としてイソプロピルアルコールは別途必要ですが、日本のAmazonなどで買えます。
2016/5/26まで支援受付中です。
https://www.kickstarter.com/projects/polymaker/polysmooth-and-polysher-3d-prints-without-layers
コメント