Uボートの潜水艦ゲーム、未完成なのにボートゲーム版が1日で5200万円集めた | UBOOT(ユーボート) The Board Game

スポンサーリンク

UBOOT1.jpg
UBOOT(ユーボート) The Board Gameは、みんなで協力して潜水艦を操縦するボードゲームです。

ビデオゲーム版UBOOT

2016年5月、UBOOTというコンピューターゲームのプロジェクトがKickstarterに登場しました。


第二次世界大戦時におけるドイツの潜水艦を操縦して、敵艦などを撃沈するというゲームです。潜水艦ゲームはこれまでにもサイレントハンターなどがありました。
しかしUBOOTは、乗組員が空腹になったりトイレの順番待ちをしたりするなど、非常に人間味あふれる要素が特徴になっています。潜水艦といえど動かしているのは人間ですから、確かにトイレは必要です。
uboot11
このゲームは当初、2017年1月にリリース予定でした。しかしユーザーからの要望や、開発元のこだわりなどもあり開発が遅れ、2018年1月現在でもまだ完成していません。
開発自体は続行しています。下の画像は2017年12月に公開されたもので、潜水艦の寝室といった戦闘には全く関係ない要素もやたらとリアルに作られています。
UBOOT30.jpg
筆者はこのコンピューターゲーム版UBOOTにお金を出しており、完成はまだかと心待ちにしていました。
そういった状況なのですが、ここにきてボードゲーム版UBOOTが発表されました。

ボードゲーム版UBOOT

ボードゲーム版UBOOTも、コンピューターゲーム版と同じくドイツの潜水艦を操縦するゲームです。目的はやはり敵艦の撃破であったり、偵察であったりです。
しかしコンピューターゲーム版がプレイヤーひとりで乗組員の面倒を見るのに対し、ボードゲーム版は複数のプレイヤーで分担して作業する、というところが違いです。
UBOOT7.JPG
プレイヤーは一人から四人です。全員で協力して任務を達成することが目的という、協力型ゲームです。一人でも遊べるように設計されているとのことですが、四人いたほうが面白いと思います。
ボードゲーム「レッドノベンバーを救え!」のように、自分だけ潜水艦から脱出してクリアというようなことはありません。先日のエイリアンゲームのように、勝手に船の進路を変えるといった困った(笑える)要素もありません。作戦を達成できれば全員の勝利、できなければ全員の敗北です。パンデミックのようなゲームです。
UBOOT10.JPG
プレイヤーは四つのキャラクターのうちいずれかのセクションを担当します。それぞれのプレイヤーができることは違っており、お互いの能力を生かしてうまく協力することが必要になります。一人でなんでもかんでもこなせない、という協力ゲームによくみられるゲームデザインです。
船長は船の武装や、乗組員の士気管理を担当します。
UBOOT11.JPG
チーフエンジニア(日本語いうと機関長でしょうか)は船の修理やディーゼルエンジンの管理などを担当します。
UBOOT12.JPG
航海長は、船を操縦を担当します。
UBOOT13.JPG
進路の決定は海図を使って決定します。なりきり感をそそるゲームのパーツですね。
UBOOT14.JPG
攻撃目標に対してどうやって舵を切るのか、といったことも航海長の担当です。
UBOOT15.JPG
ファーストオフィサー、日本語だと副長になるでしょうか。このセクションの担当は、無線、ソナー、潜望鏡などの機器担当です。
UBOOT16.JPG
各セクションには、それぞれ四人の乗組員がいます。うまく乗組員を配置し、潜水艦が沈没したりしないように船を管理する必要があります。乗組員のフィギュアが付属しており、潜水艦の盤面に配置します。
下のの写真ではカラーになっていますが、製品版では塗装されていません。
UBOOT20.JPG
実際のフィギュアはこのような感じです。
UBOOT4.jpg
船内はディーゼル室など、いくつかの区画に分かれています。
UBOOT21.JPG
乗組員は四人全員同じではなく、それぞれ専門分野があります。専門分野の仕事を割り当てた場合はトークン一個を置くだけで済みますが、専門でない場合は2個おく必要があります。仕事量に余裕があれば2個でも構わないのですが…
UBOOT22.JPG
突発的なトラブルで作業できる量が減ることもあります。
UBOOT23.JPG
トラブルは感電、やけど、毒、銃創などいろいろあります。こういったアクシデントで乗組員の手がふさがった場合でも、うまく潜水艦を管理しなくてはなりません。
UBOOT24.JPG
さらにこのゲームは、スマホアプリとセットで遊ぶように設計されています。スマホアプリはオプションではなく、遊ぶのに必須とのことです。
このアプリは副長が担当します。アプリでは潜望鏡をのぞいたりできます。
UBOOT18.JPG
潜水艦から放たれた魚雷が敵艦に命中しました。アプリはこのほかにも水中聴音(敵艦の探知)、エニグマ暗号通信もおこなえるようになっています。
UBOOT19.JPG
これだけでもかなり複雑なゲームです。それらに加えて、このゲームはリアルタイムで進行します。つまり次の行動の決定に時間をかけすぎると、敵艦から攻撃されたり、攻撃目標の輸送船を逃してしまうようなことがあるというわけです。とても忙しいゲームですね。リアルタイムの時間管理は、スマホアプリが行います。
ただ難易度調整はできるようになっているとのことです。ゲームの部品の多さを見てもわかるとおり、いきなりすべての要素を使うのは難しいので(初回説明は一時間を超えそうです)、最初は簡略版で遊べるようになっていればよいですね。
UBOOT3.jpg

本家のゲームが未完成なのに・・

本家ビデオゲーム版の開発元から、ボードゲーム版のお知らせが来た時、筆者はびっくりしました。まだ元のゲームのほうが完成していないのではないか、と。通常ならば、ビデオゲーム版を発売した->好評だったのでボードゲームを発表した、という流れになるべきところです。
ただボードゲーム版は開発チームが別です。ビデオゲーム版はPlayway、ボードゲーム版はIron Wolf Studioという会社で、現在はPlaywayの子会社になっています。
開発チームが別であるならば、これによってビデオゲーム版の開発が遅れるということもないはずです。少し異例ですが、こういったビジネス展開もありなのではないでしょうか。
UBOOT2.jpg
この試みはユーザーには受け入れられたようで、プロジェクト開始1日目で約5200万円集まっています。ビデオゲーム版のほうはKickstarterで約330万円集まりましたが、それを大きく上回る額です。
ボードゲーム版にこれだけ期待が集まっているのは、ビデオゲーム版である程度名前が知られていたおかげということがあると思います。日本のゲーム情報サイトGamesparkでも、UBootは何度か取り上げられていました。
https://www.gamespark.jp/article/2017/12/25/77583.html
それに加えて、わくわく感がいろいろと多いゲームデザインになっていることも理由だと思います。
魚雷を撃って、潜望鏡で覗いて、水中の音を聞いて、エンジンを動かして、進路を海図で決定するなど、できることがものすごく多いです。なりきり度という点で、確かに期待をそそられます。

まとめ

お値段は£65(約10,000円)です。送料は別ですが、アジアへは£30(約4,600円)ぐらいが予定されています。
2018/2/15まで支援受付中です。
https://www.kickstarter.com/projects/phalanxgames/uboot-the-board-game

コメント