Airing(エアリング)は、睡眠時無呼吸症候群の治療に使う器具です。
Airingは大きさを劇的に小型化しており、使い勝手が大きく上がっています。そのあたりが注目されたのか、7200人から$71万ドル(約8600万円)集まっています。
使い方
こちらがAiring。鼻栓のような形をしています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、寝ているときに断続的に息が止まり、睡眠不足などの問題を起こす症状です。この睡眠不足が交通事故の原因になることで知られています。
治療にはCPAPという器具を使います。鼻や口から強制的に空気を送り込み、息がとまらないようにする装置です。
CPAPの問題点のひとつとして、顔にかぶせるのでうざったい、邪魔だ、ということがあります。1日ならともかく、毎日これをつけて寝ないといけないというのは、憂鬱だと思います。
先ほどの画像は口も覆っていましたが、鼻だけ覆うものもあります。それでもかさばります。
しかもCPAPは使い続ける必要があります。喉が狭くなっているために起こる現象なので、すぐに直るものではないです。減量するにしても時間がかかります。
画像出典: Flickr
そこでちょっとでもCPAPの手間を減らそうというのがAiringです。鼻につけて使います。パイプやマスク部分がなくなり、非常に小型化していることがわかります。
内部は、上下の板によるサンドイッチ構造になっています。
上の板を電磁石で下げることで、風を送り出します。電池は本体に搭載しています。
このサンドイッチ構造を多数重ねることにより、大きな空気の流れを作ります。
ただ、実際に風を送り出している実演動画がないので、ちょっと不安を感じます。プロトタイプがどのぐらいできあがっているのか、どのぐらいの空気が出せるのか、今ひとつ不明です。空気圧を測定している動画もあればよかったのですが。
実際に試した方も、快適になったとのことです。
ブリガム・アンド・ウィミンズ病院で勤務している医師もアドバイザーとして参加しています。アメリカで有名な病院です。
Airingで「患者さんが喜んで治療を受けてくれるところをはじめて見た」とコメントしています。確かにCPAPのマスクを渡されたら、必要だとわかっていても気が滅入りそうです。
政府機関の認可
アメリカや日本では、治療に使う器具は政府機関の認可がなくては販売できません。日本だとカラーコンタクトなんかもそうですね。そこでAiringの開発者は、アメリカ政府機関(FDA)の認可を取得しようとしています。現時点ではまだ取得していません。
Airing開発者は、従来からあるポンプを小型化しただけなので、認可取得に大きな障害はないはずだ、と言っています。一理あると思いますが、FDAがどう判断するか予測するのは難しいと思います。
現時点では販売できない
クラウドファンディングの報酬で製品がもらえる場合、実質的な販売行為として扱われることは間違いありません。Airing本体を報酬に入れてしまうと治療器具を販売することになり、法的に問題になります。
そこでこのキャンペーンではお金を出しても、Airing本体はもらえないようになっています。その代わり、Airingの交換用品(電池など)のクーポンがもらえるという形になっています。
まとめ
お値段は、Airingの交換用品30日分のクーポンが$70です。
ただしクーポンが使えるのは、政府機関の認可が下りた後です。
2015/7/14まで支援受付中です。
https://www.indiegogo.com/projects/airing-the-first-hoseless-maskless-micro-cpap#/story
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