Kickstarterの新機能プロトタイプギャラリーとライブの目的は?

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Kickstarterは、2016年8月19日にプロトタイプギャラリーという新機能を追加しました。また2016年11月1日に、ライブ配信機能を追加しました。
これらの目的について考察していきたいと思いますが、その前にどんな機能なのかをご紹介します。

プロトタイプギャラリーとは

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プロトタイプギャラリーは、名前の通り開発元が試作品の画像や動画を載せることができる機能です。以前から説明本文にプロトタイプの映像を載せることは可能でしたし、実際行われてきました。今でも可能です。
しかしそれとは別に、プロトタイプを表示する専用のボタンが追加されました。View Galleryというボタンを押すと・・
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ブラウザ上でポップアップウインドウが開き、試作品を見ることができます。動画と静止画の両方があります。
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下部には画像のサムネイルが並んでおり、押すとその画像に切り替わります。1個だけ載せることもできますし、複数載せることもできます。
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本文に書けるのに、なぜこのギャラリーが必要なのか?ですが、これはKickstarterによるとページを長くしすぎないためとのことです。あまりにも1ページが長くなりすぎると読みづらいですし、表示されるまでに時間がかかります。
このギャラリー機能ならサムネイルや矢印を押して切り替えるので、ページが長くなりません。またボタンを押したときだけ表示されるので、本文の読み込みが長くなりません。
載せる試作品は、カテゴリーが分けられています。製品が動作するか確認するための骨組み状態で載せるProof of Conceptや・・
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外観を確認するために作ったが、動作はしないAppearance Prototypeなどです。
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ギャラリーを載せるかどうかは、プロジェクト側が任意に決めることができます。必須ではありません。ただグッズ系のプロジェクトではギャラリー有りが、かなりあります。載せる手間があまりかからないためではないでしょうか。

Kickstarter Liveとは

プロトタイプギャラリーの三ヶ月後に、Kickstarter Liveという機能が追加されました。これは名前の通り、開発元が生放送をする機能です。録画した動画を流すのではなく、その場で開発元がしゃべり、視聴者がそのまま見ることができます。
生放送は、専用ページに行くと一覧で見ることができます。これから行われる放送の予定や、過去の放送の録画を見ることができます。
https://live.kickstarter.com/explore
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ライブ放送を行った場合、プロジェクトのページにもボタンが表示されます。これを押すことで、過去の放送を録画で見ることができます。
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ライブ放送では、視聴者がチャットをすることもできます。ユーザーはその場で開発元に質問することができます。ニコニコ生放送や、ゲーム生放送サイトTwitchのような機能ですね。
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これらの目的は何か?

Kickstarterは、なぜこういった機能をつけたのでしょうか。公式説明では、以下のようになっています。
・プロトタイプギャラリーは、製作の過程や、苦労して作っている場面を見せることができる
・ライブ放送は、プロジェクト側とユーザーの一体感を作り、製作過程の透明化に貢献する
これは全くその通りだと思います。
一方で、別の事情もあるかと思います。Kickstarterでは新しい物や挑戦が頻繁に生まれる反面、失敗に終わることもあります。
例えば4億円集めたドローンZANOが2015年に破綻してしまったということもありました。プロジェクト掲載時の動画に編集があり、不正確であったことも問題になりました。
Kickstarter運営も、こういった事例は非常に懸念していると思います。ただ運営側の審査を厳しすぎると、新しい挑戦が生まれにくくなってしまいます。自らをクリエイティブな場であると宣言しているのに、運営の審査で可能性が潰れてしまうのは、運営としても本意ではないと思います。
そこで出てきたアイデアが、プロトタイプギャラリーとライブ放送機能だと思います。
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・プロトタイプギャラリーで製作過程を見せて、ユーザー自身の判断材料を増やす
・生放送で視聴者の質問にその場で答え、その場で実演する
運営が審査するのではなく、判断できる材料を増やして、ユーザー自身に決めてもらう。これが運営の狙いだと思います。実際ライブ放送の発表で「製作過程の透明化」ということを運営も述べています。
特にライブ配信は、動画編集無しで受け答えしたり、実演する必要があります。実現可能性についてかなりの情報が得られるのではないでしょうか。もちろん即答できない、技術的に難しい質問もあると思いますが。

まとめ

・2016年、Kickstarterでプロトタイプギャラリーとライブ放送機能が追加された
・ユーザーとプロジェクト側のコミュケーションを促進することが目的
・ユーザー自身の判断材料を増やすことも目的の一つではないか?

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