MegaBotsという会社が、巨大ロボットが戦う国際リーグ戦のプロジェクトをKickstarterで立ち上げていました。しかし自主キャンセルしました。
MegaBotsとは
MegaBotsは、人間よりも大きい巨大なロボットを作っている会社です。ブルトーザーなどを作っている重機メーカーというわけではなく、巨大ロボットを実際に作ってやろうじゃないか、という人が集まってできた団体です。会社の所在地はアメリカです。
2014年、MegaBotsはKickstarterにプロジェクトを載せました。試作品まで作った巨大ロボットを完成させるために、お金を支援してほしいというものです。約730万円あつまりましたが、プロジェクトの目標額には到達しませんでした。
しかしMegaBotsは別途資金集めてロボットを完成させました。
このMegaBotsが作ったロボットと、日本の水道橋重工という日本の団体が作ったロボットを、実物同士本当に殴り合わせて対戦させようじゃないか、という計画が2015年に立ち上がりました。
そのときにMegaBotsがKickstarterでプロジェクトを立ち上げました。対戦するにあたってMegaBots側の武装を強化したいので、その資金を支援してほしいというものです。こちらは約6200万円集まり、成功裏に終わりました。
2017年10月、クラタス対MegaBots製ロボットの対決が実現しました。クラタスが繰り出すグーパンチ(?)がMegaBotsのロボットに命中して・・
倒したりしました。
MegaBotsのEagle Primeロボットが、星条旗の描かれたメイドインUSAのチェーンソーを振りかざして攻撃したりと、激しい攻防が繰り広げられました。
試合の様子がITmediaのねとらぼに載っています。おもしろいのでご覧ください。クラタスがドローンを展開して相手を妨害するという、SF映画のようなこったことをしていて楽しいです。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1710/18/news087.html
今回のKickstarterでの計画
水道橋重工のクラタス対MegaBotsのロボット対決は、うまくいったと言えると思います。
そこでMegaBotsが新たに考えた計画が、巨大ロボットのトーナメント戦を行うというものです。世界で最もいかれたスポーツだ、とMegaBotsは自ら述べています。
しかしトーナメント戦を行うということは、ロボットとそれを作るチームがもっと必要です。2チームではトーナメントになりません。そこで名乗りを上げているのが、中国のGREATMETALチームです。
MegaBotsによれば、そのほかにも20のチームが参加を考えているとのことです。中国、日本、韓国、カナダ、オーストラリア、アメリカなどです。ただトーナメントの詳細が未定なので、最終判断はまだであるとも言っています。対戦ルールはどうするのか、ロボットに使ってよい機材といったもろもろのレギュレーションです。
トーナメントの開催場所は、アメリカのサンフランシスコです。4チームが対戦して世界王者を決める計画です。
今回のKickstarterキャンペーンが目標額に到達できた場合は、MegaBotsのMK2の設計図をオープンソースとして公開するので、材料を集めて加工すればロボットを作れるとのことです。
ただし最新ロボットであるMK3ではなく、MK2のみオープンソースにするという計画です。全チームMK3を作ってしまうと特色がなくてつまらなりそうです。MK2をベースに独自色をだそうという感じでしょうか。
この実物の巨大ロボット対戦を新たなスポーツとして普及させ、アリーナを観客で埋められるようにしたい、というのがMegaBotsの目標です。
しかし今回のKickstarterのプロジェクトは、MegaBotsによる自主キャンセルで終わりました。キャンセルした理由は思ったよりもお金が集まらず、目標額に到達できそうにないためです。
今回の目標額は95万USドル、日本円で約1億円です。Kickstarterで集める金額としては、非常に大きな部類です。
プロジェクトを公開して5日で600万円に到達しました。普通のプロジェクトならばこれでよかったのですが、今回の目標額は1億円です。このペースでは1億円に届かないとMegaBotsは判断し、見切りを付けました。
これが商品を作るプロジェクトならば、目標額を下げてその分生産数も下げるという方法がとれます。しかし今回はトーナメントの開催が目的です。金額を下げて規模を小さくすると、ファンをがっかりさせることにつながりかねない。それは避けたいとMegaBotsは言っています。
MegaBotsが出した結論として、クラウドファンディングは向いていない。だからほかの方法を模索する、とのことです。
Kickstarterなど商品型のクラウドファンディングの場合、見ている人は何らかの商品を手に入れることを期待していると思います(劇の公演などもありますが)。アリーナを埋めるような大規模なトーナメントを開催するというのは、商品型には向いていないというのは確かにあると思います。
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