Need to Knowは、ある省庁の職員になり、国民を不必要なまでに監視しまくる風刺ゲームです。省庁のモデルになっているのは、NSAです。
不必要なことを詮索するゲームなのに、タイトルは「Need to Know(知る必要がある)」となっており、シャレが効いています。
開発元はオーストラリアです。
内容
主人公が所属するのは自由省(Department of Liberty)です。NSAの上位組織であるDepartmet of Defence(国防省)のもじりだと思います。自由省という名前ですが、他人に不自由を強いるのが目的という皮肉になっています。
このフクロクが描かれたロゴ、どこかで見覚えはないでしょうか?
こちらはNSAのロゴ。ワシとフクロウという違いはあるものの、自由省のロゴもパロディになっています。
プレイヤーは一職員として国民の監視を行うのが仕事です。
プレイヤーは入省すると、最下位の権限であるセキュリティ認証レベル10からはじまります。
上司から与えられた任務は、あやしい行動を全て特定することです。
あやしい人物のリストがでてくるので、地図から選択して詳しく調べます。
ピックアップしたのがこの男性。メールの中身をのぞき見ると・・・
「さびしいです。奥さんはいつ家を開けるの?」といったメールを受け取っています。はっきり言って不審者の探索とは何の関係もありません(笑)
安全保障とは無関係にもかかわらず、プレイヤーはメールに添付されていた画像を見ることができます。「それまでの間、ちょっとした贈り物です」というメッセージが添えられています。何が写っているのでしょうね・・。
プレイヤーはメールの内容などから、安全保障にとって脅威かどうかを判定します。
当然のこの場合はSAFEに決まっています。というより見る必要ゼロでしたね! すがすがしいぐらいに不必要な詮索でした。
さらにスマホアプリのメッセージを盗み見したり・・。
「こんにちは。最近どうしてる?」
「ノア、申し訳ないけど、もう終わったことを受け入れてくれないと。メッセージを送ってくるのはやめて」
「いやいや・・」
またまた何の関係もありませんね! スノーデン氏によれば、NSAでも全然関係ないメッセージを職員が盗み見していたそうですが・・。
任務をこなしているうちに、セキュリティレベルが上がって9になりました。数字が小さいほど権限が強いです。
今度は他人のブラウザの履歴を見ることができるようになりました。「愛国軍団」「サバイバリスト用品店」「DIY化学」といった、ちょっとあやしいサイトを見ていることが判明しました。さらに「アンモニア硝酸塩(爆薬の原料)」を検索しています。
電話の内容を盗聴すると、
「自由省のことを聞いた?」
「ロクでもない連中だ」
「この国は地獄へのエレベーターに乗っている」
「革命の機運じゃないか」
「いや、すぐには難しそう」
なにやらプレイヤーの所属する組織のことを噂していますね。
最終的に脅威だと判断しました。
判断の結果、先ほどの人物は逮捕されました。
「おめでとう、エージェントヘイガン。容疑者は自由省が押さえた。これからもいい仕事を続けてくれ」
権限が上がってくると、政治に関わる重大情報も知ることができるようになります。そしてその結果をメディアにリークすることもできます。
リークした結果、新聞に上院議員の賄賂を受け取っていたというスクープが掲載されました。記事にはご丁寧に「リークされた情報によると」なんて書いてあります。さらに「情報提供者は真のヒーローだ」とも書いてあります。
プレイヤーの所属する自由省にとってはスキャンダルですが、こういった行動をするかどうかはプレイヤー次第です。
権限を悪用して私腹を肥やすこともできます。
さらに口説くモードまで存在します。プレゼントには私腹を肥やして貯めたお金を使えます。ちょっとゲームの規模が大きくなりすぎている気がしますが・・。
もっとレベルが上がると、強請るという選択肢まで登場します。ここまでくるともはやマフィアですね・・。職員自体が脅威です。他人の脅威判定をしている場合ではありませんね。
開発者
開発者は三名です。代表者のクインシーさんは、オーストラリア人の大学生でコンピューターサイエンスを専攻しています。Kickstarterでお金が集まったら、研究はいったんおいておき、ゲーム開発に集中するとのことです。
ゲームのアイデアは非常におもしろいと思います。ただ構想が大きくなりすぎて、完成させるのが難しくなっているとも思います。
またプロのゲーム開発者ではないところも、不安要素になるかと思います。ゲームを作りの作業量は非常に大きく、すごく根気の要る作業です。完成までこぎ着けられるかどうか、なかなか大変です。
ただクインシーさんもそのあたりは承知しています。グラフィックは3Dを使わない最小限のものですが、会話などのデータ量は膨大です。この退屈な作業を自分たちがこなせるかどうか、というのをリスクとして書いています。
まとめ
共産主義国の入国管理官になるゲーム Papers, Please! みたいですね。かなり影響を受けているんじゃないかと思います。
お値段は$16(約1,800円)です。完成したらゲームをダウンロードすることができます。
2016/3/12まで支援受付中です。
https://www.kickstarter.com/projects/monomythgames/need-to-know-the-mass-surveillance-thriller-game
コメント
TRPGのパラノイアの丸パクりじゃねえか。 非難してないけど。
おお、パライノアを知っている人が!w やったことはないですが、おもしろそうですよね。こういうのは古典的なネタとも言えますね。ジョージ・オーウェルの1984とか・・。