ある意味で究極にリアルな戦術ゲーム。操作するのはなんと無線だけ! | Radio Commander

Radio Commander(レイディオコマンダー)は、ベトナム戦争のビデオゲームです。ある意味で究極にリアルな戦術ゲームです。そう、ある意味では…。

内容

こちらがその究極にリアルな戦術ゲームの画面です。・・・・何がリアルなんだ?と思われたかもしれません。

あるいは、リアルとは例えばCall of Dutyのような、精緻なグラフィックのことを言うんだ。なにもわかってないな。そう思われたかもしれません。画像出典:Wikipedia
確かにFPS戦争ゲームの画面はリアルですが、ちょっと待ってください。Call of Dutyは前線の兵士が銃で戦うゲームです。今回のRadio Commanderは銃を持って戦うゲームではなく、作戦の指揮をする戦術ゲームです。プレイヤーは指揮をすることが目的なんです。

指揮をするゲームと言うが、それでももっと画面がリアルなゲームはあるじゃないか?
確かにそうです。でもよく考えてください。実際の戦争で上から戦車を見下ろして作戦の指揮ができますか? 指揮官がヘリに乗っていたとしても、戦場全体は見渡せません。画像出典: Wikipedia

では前線指揮官はどうやって指令を出しているのか。そこを追求したのが、今回のRadio Commanderです。
プレイヤーは中隊司令部の司令官です。前述の通り洗浄全体を目で見られないので、テントにこもっています。そしてテントの中には、戦場の地図と部隊の配置を示す駒があります。
これがゲーム画面のほぼ全てです。

中隊司令部なのはわかったが、どうやって戦闘をするのか?

下の画面をご覧ください。手に持っているのは受話器です。

この受話器で最前線と無線電話を行って、実際の戦闘部隊に指令を出します。
「こちらパパベアー。部隊の状況を報告せよ。オーバー。(ブツッ)」

報告の内容に従って、地図上のコマ配置が更新されます。手書き風に地図に書き込まれているところが、また味があります。前線司令部なのできれいに絵を描いている余裕はありません。

プレイヤーはテントに籠っているわけですが、先頭の状況によっては煙があがったりします。ベトナム戦争がゲームの舞台になっており、左手奥には煙が見えます。

爆発音とともに右手奥にも煙が新たに見えました。なにやら戦闘状況に変化があったようです。
しかしプレイヤーは戦場を上から見下ろすことはもちろんできず、無線通信で交戦の内容を把握することになります。

このゲームは本当に無線のみです。地図でユニットを動かすこともできません。

指示を出した結果、司令部からヘリが出動しました。プレイヤーはもちろん乗りません。プレイヤーが現場に行ってしまったら、誰が指揮を執るというのでしょう? ゲームなのにもどかしいというか、クソリアルというか、とにかく無線で状況を聞いて指示を出すだけです。

戦闘状況はプレイヤーがコマンドを選択して自ら聞く必要があります。アルファ小隊->報告->戦闘結果、を選択しました。

「こちらパパベアー。敵との遭遇結果は?オーバー。(ブツッ)」
「パパベアー、こちらアルファ小隊。現在敵歩兵と砲火を交えて交戦中。敵を圧倒している。以上。(ブツッ)」

戦況によっては味方が劣勢の時もあります。かならずしも救援に十分な戦力を割けないこともあるでしょう。指揮官として決断しなくてはなりません。
下の画面では選択肢が2つ表示されています。
「すまない。現在速やかに目的の部隊を救出しなくてはならない。オーバー」
「君が正しい、スコッティ。リスクをとる理由はない。オーバー」
そして救援に行くという選択肢を選んだ結果…

「パパベアー。こちらアルファ小隊。こちら死傷者を出している。部隊は戦意を喪失しつつある!以上!」
という返答が返ってきました。プレイヤーの指示の結果、死傷者が出てしまいました。

このように無線で指示を出して、結果も無線で聞く。それで状況を把握して戦闘を有利に導くというゲームです。
今までの戦術ゲームのように上から戦況を把握できず、ひたすら無線のみです。もどかしいゲームですが、現実的ではあります。マニアックすぎる気もしますが…。