「音」を見るカメラ。騒音がどこから漏れているかを可視化する | SOUNDCAM(サウンドカム)

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SOUNDCAM(サウンドカム)は、どこから音が発生しているのかを見ることができる「音のカメラ」です。
開発元はドイツです。

使い方

この大きな盾というか鍋の蓋、これがSOUNDCAM(サウンドカム)です。
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SOUNDCAMの表面には64個もの小さなマイクが取り付けられています。
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このSOUNDCAMを対象にかざすことで、どこから音が出ているのかを目で見ることができます。通常ならば耳を近づけないと「なんとなくこのあたり」としかわからない場合でも、SOUNDCAMなら一目瞭然で見ることができます。
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例えば紙の上にクリップを落としました。普通ならば紙のどこから音がしているか、細かい位置は分かりません。もちろんクリップが落ちたところであるはずですが、人間の耳では細かい位置まではわかりません。
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SOUNDCAMを通してみれば、クリップを置くとカメラのモニターで色が変わった部分が出てきました。これがSOUNDCAMで検知した部分です。クリップが落ちた場所から音が鳴っていたということです。
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クリップの位置が分かっても意味がありませんが、他にも使い道はあります。例えば機械の配管で異音が聞こえるが、それがどこなのかを調べる、といった用途です。異音がしている部分は必要があれば部品を交換するといった対処がとれます。
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あるいは騒音対策です。ドアは閉めているが、騒音はどこかから漏れていてうるさい、という状態です。SOUNDCAMで見ると、ドアの下の隙間から漏れているようです。
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そこでドアの下部に遮蔽物を置いたところ、騒音がかなり減りました。
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住宅やオフィスといった場所での騒音対策に役立つ場合もありそうです。
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画面はタッチスクリーンになっており、設定の調整ができるようになっています。可視化する対象となる周波数(音の高さ)の範囲を絞れます。風の音は無視して高音のノイズだけに可視化する、といった使い方です。
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前述の通りSOUNDCAMには多数のマイクがついています。中心部分には光学カメラがついています。
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音源から音が飛んできたとき、どの方向からくるかによって、それぞれのマイクへの到達時間が違います。今上段左から右に向かって音が飛んできました。
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上下二つのマイクのうち、上側のマイクに先に音が到達しました。しかし下側のマイクは音源から遠い位置にあるので、まだ音が来ていません。
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上側から遅れて下側にも音が来ました。
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このマイク間の時間差を使って、音がどの方向から来たかを判定しています。この例ではマイクは二つだけですが、実際には64個あります。リアルタイムでそれらの情報を処理するため、SOUNDCAMではFPGA内蔵して解析処理に使っています。
SOUNDCAMに搭載できるサイズと電力消費量を考えると、CPUだけではリアルタイム処理が追い付かなかったのだと思われます。
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まとめ

お値段は€3,999(約512,000円)です。
2018/5/24で受付終了し、目標額に到達しました。
https://www.kickstarter.com/projects/351002836/the-first-handheld-sound-camera-for-everyone
SOUNDCAMシリーズ自体は公式サイトで製品を展開しています。
https://www.cae-systems.de/en/

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