Indiegogoで試作品の有無が一部に表示。その理由とは?

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Indiegogoに、プロジェクトのステージという表示が追加されました。プロジェクトの段階を以下の四段階に分類するものです。
・Concept
・Prototype
・Production
・Shipping
https://support.indiegogo.com/hc/en-us/articles/221613968
例えば、このプロジェクト「Fixate Gel Pads」にはPROTOTYPE STAGEという表示が付与されています。
https://www.indiegogo.com/projects/fixate-gel-pads-design#/
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ただし現状では、全てのプロジェクトにこの表示が付与されているわけではありません。例えばこのプロジェクトには表示は入っていません。筆者の観察している限りでは、付与されている方がかなり少ないと思います。
https://www.indiegogo.com/projects/timecap-the-world-s-smartest-24hr-life-recorder-camera#/
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四つの段階はそれぞれ次のことを意味しています。
・Concept
製品の構想はあるが、試作品の有無は問われない。3Dレンダリング画像を説明ページに含むこともある。
・Prototype
主要な機能が動作する、製品の試作品がある。(つまり、周辺機能は動かなくてもよいが、中心となる機能の動作は必須)
・Production
製品を支援者向けに製造している。
・Shipping
既に最終製品バージョンを生産しており、発送を開始している。

段階はどのように付与されるのか?

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この四つの段階は、プロジェクトの実行者が表示するかどうかを決めることができます。段階を表示しないことも可能です。
表示を行う場合、実行者が現在の段階を自己申告します。その後、Indiegogoの運営が申告内容を審査します。審査の具体的な基準は現状公開されていません。
また、プロジェクトの中には演劇のようなカテゴリーもあります。そういった物理的な製品のないプロジェクトには、段階は表示できません。

なぜこの機能が追加されたのか?

運営からは、なぜこの機能を追加したのかということは発表されていないようです。少なくとも公式ブログには見つかりませんでした。以下の内容は、筆者による考察です。運営の発表内容ではありません。
この機能が追加された理由として第一に考えられるのは、アイデアだけの段階だと失敗する確率が相対的に高いためだと思います。もちろん試作品があったからといって、必ず無事生産してプロジェクトが成功に終わるというわけではありません。
しかしプロトタイプを作って実際に動かしてみないことには、完成させられるかどうか予想することは難しいです。実際に作ってみたら思ったよりも高くなってしまった、電源周りでトラブルが起きそうだ、壊れる可能性が思ったよりも高そうだ・・こういったことは往々にしてあると思います。アイデアだけではリスク分析に限界があります。
試作品があるのとないのとでリスクが違うのなら、それを表示した方がよいのではないか、これが運営の考えた第一の理由だと思います。(前述の通りこれは筆者の予想です)

第二の理由

第二の理由として挙げられるのは、Kickstarterの存在です。
KickstarterはIndiegogoと異なり、動作する試作品(working prototype)の存在が必須です。それだけでなく、実写のようなCGを載せることも禁止です。発覚したら運営からプロジェクトを強制的に停止させられます。
IngiegogoとKickstarterのポリシーは、それぞれ一長一短あります。しかしお金を出す側の安全性を考えると、Kickstarterのポリシーに利があります。Indiegogoとしては、ライバルであるKickstarterのこのポリシーを無視できなかったのだと思います。
しかしIndiegogoのあまり口を挟まないという方針を急に全面転換するのも、おかしな話です。今までは何だったのかということになりますし、単に後追いになってはIndiegoogの存在意義はあるのか? ということにもなります。(サイトの開設時体はIndiegogoの方が先です。ただ2016年現在、Kickstarterの方が有名になりました)
ポリシーを曲げず、なおかつ支援者にリスクをわかりやすく表示する・・そこで編み出されたのが、このプロダクトステージ表示ではないかと思います。

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