スプーン、ドライバーなどが一つになったアウトドアグッズ、運営からプロジェクト中止に | Vulcan(バルカン)

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Vulcan(バルカン)は、食事用のスプーンにフォーク、ロープカッター、缶切り、ドライバーなど生活に必要な金物が一つに納まったセットです。
しかしKickstarter運営からプロジェクトを中止にされました。理由は、既製品を自社製品と偽って掲載したためです。

Vulcanとは

Vulcanは、フォーク、スプーン、ナイフ、カッター、缶切りのセットです。これだけ見るとバラバラですが・・
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まとめれば手のひらにすっぽりと収まります。全長14.5というコンパクトさも魅力的です。
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食事用のスプーン、フォーク、ナイフとして使えるのはもちろん、
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ロープカッター、
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ドライバーなどさまざまな機能を備えています。
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何が問題だったか?

Kickstarter運営からは、プロジェクトを中止にした理由は公開されません。よってなぜ運営が止めたのかは推測になります。
しかし今回の理由は、ほぼ間違いなく既製品を自社製品と偽って掲載したためです。これはKickstarterのルールで禁止されています。
既製品はこちらです。アリババグループの運営するAliExpressで販売されています。
http://www.aliexpress.com/item/Outdoor-tableware-camping-hiking-picnic-ultra-light-titanium-alloy-tableware-camping-set-100-Nylon-cases-Free/32377888415.html
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4本をまとめた画像も載っています。
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下の画像は、Kickstarterに掲載されているVulcanのものです。寸分違わず同じです。
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さらに極めつけは、Kickstarterに掲載されているプロジェクト責任者のプロフィールです。イギリスのグラスゴーと書いてあるだけで、情報は無に等しいです。
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Facebookの情報も登録されておらず(Not connected)、プロジェクト責任者がどういう人物なのか全くわかりません。
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プロフィールがほとんど何も書いていないことについて、コメントで指摘している人がいました。それに対してプロジェクト責任者は、プロフィールはあとで更新する、簡単に言うと金属加工器具を祖父から受けついたのだ、と答えています。
そのあと別の人から前述のAliExpressのURLを提示され、それ以後は返信がありません。最終的に運営からプロジェクトを停止されました。

何度も起こっているが・・

他社の既製品を自作品と偽る、ということは過去にも繰り返し行われています。
おしゃれな電気スタンド、Kickstarter運営からプロジェクト中止にされた
いい感じだったリュック、既製品を掲載しただけだとして運営から処分
しかしこれに対して、有効な再発防止策をKickstarterは打ち出せていない、というのが現状です。
この背景には、発覚したときのダメージが小さいので、やったもの勝ちになっていることがあります。例えば今回の場合でも、プロジェクト責任者には何の経済的損失もありません。責任者は何らお金は損していません。
また刑事罰というのもほぼ無理です。現時点では誰も損をしておらず、どの国の法律でも詐欺罪というのは無理だと思います。
ペナルティが実質的に無いので、行うものが後を絶たない、そう言えると思います。

対処法は?

運営もこうした現状を百も承知しているでしょうが、うまく防止する方法がないのだと思います。
事前にデポジットとして運営にお金を預けて、違反したら返さない、こういうシステムならある程度防ぐことはできると思います。ただ違反の白黒判定で揉めてしまうので、運営としてはこういう方法はとりたくないと予想します。
既製品を誰かが発見して報告する、いわば「クラウド違反報告」に頼らざるを得ない、これがKickstarterとIndiegogoの現状だと思います。
Vulcanのプロジェクトページ

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