2億円に到達、スマホを3Dプリンターに変えるグッズの開発元が、数々の疑念に回答した | OLO

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スマホの画面を使って印刷する「OLO」という3Dプリンターが、先日Kickstarterに掲載されていました。スマホを流用するため、価格が1万円ちょっとという破格の安さが特徴です。相当な価格破壊であったため、支援は2億円まで集っています。
しかし不明点が数多くあり、多くの疑問が開発元に寄せられていました。それに対して、開発元がかなり詳細に答えています
だったら初めから詳しく説明してくれという気もしますが・・。ただ自分で作っていると当たり前に思えてきて、悪気はなくても説明不足になってしまうという面もあると思います。

原料

一番の問題が原料ですね。
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・可視光で固まるといっているのに、原料が半透明ボトルに入れてあるのはなぜ?
動画では確かに半透明ボトルに入れていました。しかしあれは説明用で、背景に対して目立つように動画を作ろうとしたためです。
実際の製品では黒のボトルに原料が入っています。
(筆者) これは筆者も疑問だと書いていました。こういう理由があったんですね。ひとこと注意書きを入れてくれれば良かったのにと思いますが・・・。これだけで疑いが強まってしまいましたよ。
・原料は専用のものが必要か?
はい。印刷クオリティを保つために必須としています。
(筆者)可視光で固めるという原料は今は他にないので、もっともな話だと思います。いずれ安価なサードパーティー製のものがきちんと使えるかもしれませんが、今現在は公式のものを使うのがよさそうです。
・可視光で固まる原料についてもう少し教えてほしい。
近日中に紫外線硬化樹脂と、OLOの可視光硬化樹脂の比較を載せる予定です。
・原料を混ぜて、新しい色を作ることができるか?
いいえ。しかし将来的にはできるようにしたいと考えています。
(筆者) 絵の具みたいです。できたらおもしろいですね!
・原料の使用期限は?
買ってから1年です。
・印刷途中で原料を差し替えられるか?
いいえ。
・Kickstarterキャンペーンが終わった後に原料は買えるか?
はい。自社のwebサイトで販売予定です。100mlで$15(約1,680円)、送料別の予定です。

印刷

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・印刷速度は?
Z方向1層あたり、20から30秒かかります。層の厚さは0.035mmから0.2mmです。
この速度はXY方向の大きさに依存しません。スマホ画面の明るさに依存します。例えばiPhone 6を使った場合、46分で1cmの高さの物体を作ることができます。
(筆者) 10cmの物体を作る場合、約8時間かかるということになります。現実的な数値ですね。
・印刷後、特殊な液体で洗浄する必要はあるか?
いいえ。
(筆者) 質問の意図は、可視光(目で見える光)では固まりきらず、後処理が必要では、ということだと思います。ちゃんと可視光だけで固まる、というのが開発元の回答です。
・印刷物の耐久性は?
紫外線を使って樹脂を固める場合と変わりません。
・印刷物の精度は、スマホ画面の解像度に依存するか?
はい。解像度とコントラストによります。
・印刷物に色を塗れますか?
はい。アクリル系の塗料が使えます。
・使えるスマホの最大サイズは?
162mm x 82mm x 10mmです。
(筆者) iPhoneだけでなくAndroidにも対応しています。
・印刷物の最大サイズは?
76mm x 128mm x 52mmです。
・スマホ画面の光で印刷するが、印刷中に電話がかかってきたらどうなる?
そうならないよう、機内モードにしておく必要があります。
(筆者) ごもっとも(笑)
・なぜスマホ以外で使えないのか?
OLOはオーディオ出力を使って、プリンタとスマホの間で通信しています。スマホ以外では動作を確認していません。
(筆者) Bluetooth接続よりも安く作れる、ということでしょうか。

追加された動画

Q&Aが追加されただけでなく、ノーカット早回し動画も追加されています。ただ光で固まる樹脂なのに、明るいところで撮影して固まらないのか?という当然の疑問について説明がありません。
プリンター右上の色が赤味がかっていることから照明を工夫したのだと思いますが、一言説明があってもよかったと思います。白色光以外は固まりにくいなど、何か理由があるのだと思いたいです。
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動画はこちら。


iPhone 6で実際に印刷した物体のアップ写真がこちら。右側の光が反射しているところに細かい段差が見られますが、おおむねきれいではないかと思います。
むしろ1万円ちょっとという値段を考えると、破格のクオリティではないでしょうか。インクジェットプリンタと大して変わらない値段ですからね。
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まとめ

かなり詳細に答えてくれていますね。開発元の自己申告とはいえ、具体的な数字も入っています。細かいところでは、対応しているスマホ保護フィルムの厚さまで答えています。
だからといってOLOにお金を出しても絶対大丈夫だ、というわけではありません。ただ疑わしさはかなり減ったと思います。というより最初の段階ではあまりにも説明がなくて、うさんくさすぎましたね・・。
新たに追加された早回し動画は、かなり信憑性があると思います。
KickstarterでのOLOのページ

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