クラウドファンディング2017年の大きなニュース。Kickstarterの日本対応/プロジェクト頓挫/クラウドファンディングその後など

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2018年になってしまいましたが、2017年の商品型クラウドファンディングを簡単に振り返ってみようと思います。細かいニュースはたくさんありましたが、その中で筆者が気になったものをいくつかあげたいと思います。

Kickstarterの日本対応

まず一番大きなニュースは、Kickstarterの日本対応ではないでしょうか。これまでもKickstarterに日本から載せることはできましたが、アメリカなどに代表者が必要でした。
しかし2017年になり、日本在住者のみでプロジェクトを載せられるようになりました。同時に日本から載せた場合はお金は自動的に円建てになります。

Kickstarterはとてもユーザー数の多いプラットフォームなので、ここに載せられるというのは大きなチャンスです。ただし載っているプロジェクトの数も非常に多いので、目立つのは簡単ではありません。いいアイデアであっても、ユーザーからあまり気づかれてないということもあると思います。
また発送先に海外が入るので、出荷の手続き面でもややこしいことが増えます。日本のユーザーには当たり前のことであっても、海外ではそうでないということもありますし、その逆のパターンももちろんあります。なかなか一筋縄ではいきません。

Makuakeで1億円を超えたプロジェクトが現れた

glafitは折りたたんで持ち運べる、電動原付バイクです。二系統のブレーキなど道路交通法の要件を満たしており、日本でナンバープレートを取得して公道を走らせることができます。
glafit1.jpg
https://www.makuake.com/project/glafit/
このglafitが日本のクラウドファンディングサイトMakuake上に登場し、約1億2千万円集めました。1億円を超えるプロジェクトが登場したというのは大きな出来事ではないでしょうか。日本でクラウドファンディングが少しずつ広まりつつあると言えるのではないかと思います。

悪いニュース

一方でクラウドファンディングにまつわる悪いニュースもあります。Tikoという3Dプリンターのプロジェクトがありましたが、頓挫して返金不能に陥りました。


GOkeyというUSB/Lightningケーブルのプロジェクトがありましたが、こちらは会社自体が破産しました。
IndiegogoのプロジェクトGOkeyが破産へ。ストレッチゴール、製造委託の難しさが明らかに
GOkeyというプロジェクトがありました。スマホバッテリー、USB/Lightningメモリー、リモコンの三つを兼ねているというグッズです。2014年5月、Indiegogoに登場しました。この開発元が破産しました。GOkeyとはG...

頓挫したり会社がつぶれることがあるのは2017年に始まったことではありませんが、改めて外せないニュースだと思います。運営からプロジェクトをとめられたケースも毎年あります。(Gary2.0など)

クラウドファンディング、その後

クラウドファンディングで資金を集めて出荷し終わった。その後会社はどうなったか・・? 特徴的なケースが2017年に2つあったので、紹介したいと思います。
一つ目は監視カメラのBlinkです。こちらは製品を出荷して一般販売していましたが、2017年12月にアメリカのAmazon.comによって会社が買収されました。事業としては大成功と言えるでしょう。


一方で、同じくKickstarterから生まれたSenseという睡眠トラッカーがありました。こちらも出荷して一般販売をしたのですが、その後の事業展開がうまくいかず、最終的に会社を閉鎖することになりました。
筆者もSenseを使っていましたが、製品自体はとてもよかったと思います。
https://www.kickstarterfan.com/archives/27544

2回目、3回目のプロジェクトが増えた

また2017年に見られた傾向として、Kickstarterで過去にプロジェクトを載せたことのある開発元が、2回目、3回目のプロジェクトを載せるケースが非常に増えたと思います。これは今に始まったことではないのですが、2017年は特に増えたと思います。
理由はいくつか考えられますが、過去に出荷した実績が有利に働く、ということがまず挙げられると思います。前述の悪いニュースにあるとおり、クラウドファンディングではプロジェクトが何らかの理由で頓挫することがあります。
しかし過去に出荷できたプロジェクトの実行者なら、2回目や3回目もうまくいく可能性は高くなるでしょう。そういったプロジェクトにお金が集まりやすくなっているのではないかと思います。また前回のプロジェクトで作ったファンが、Twitterなどで広めてくれるということもあると思います。
もう一つ挙げられるのは、根本的にクラウドファンディングが向いている商品があるということです。クラウドファンディングで生まれた商品の中には多くの人に役立つ商品もあれば、一部の人にしか意味のないものもあります。
たとえばあえてレトロな雰囲気のインスタントカメラを作っているLomographyという会社があります。ここは何度かそういったグッズをKickstarterに載せています。


スマホをポケットから出せばいつでも写真が撮れる時代に、アナログのインスタントカメラというのは、とてもニッチなグッズです。こういった場合は新製品を作ったときに毎回クラウドファンディングに載せるのも有効でしょう。

まとめ

・大きなニュースは、Kickstarterの日本対応、Makuakeで1億円を超えたプロジェクト
・一方でプロジェクトが頓挫するケースもあった
・プロジェクト作成のリピーターが増えた

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