[取消処分] Tor(トーア)を使って通信を匿名化するルーターボックス anonabox(アノーナボックス)

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anonabox1
anonabox(アノーナボックス)は、通信を匿名化してくれるルーターボックスです。P2P技術であるTor(トーア)を使っています。
意外と需要があるようで、掲載数日で約4800万円注文が集まりました。アメリカ政府や中国政府のインターネット検閲がよく問題になっており、個人特定を気にする人が多いのだと思います。

追記: 取り消し処分になりました

このプロジェクトですが、Kickstarterから取消処分になりました。(Kickstarterにはsuspendedとかいてありますが、復活することはありません)
理由は、既に販売されている商品を、自分が開発したと偽って売ろうとした、ということです。(MashableにKickstarterから来た通知が載っています)
プロジェクトに載せている写真は、既存のこの中国製ルーター( https://imgur.com/dvBjzJO?tags )ではないか、と言われています。確かにそっくりです。偶然でここまで似ているということはまずないので、きわめて疑わしいと思います。
なお受付終了前なので、注文していた人の代金はまだ支払われていません。全額返金になります(正確に言うと、まだ払っていないので注文取り消しです)。

使い方

使い方は非常に簡単です。自宅のルーターと自分のPCの間にanonaboxを挟むだけです(下図)。PCにソフトウェアのインストールは不要です。あとはanonaboxが自動で匿名化してくれます。PC側はケーブルだけではなく、Wifiでも使えます。
anonabox2
anonaboxを使わなくても、PCにTorをインストールすれば同じことができます。ただanonaboxの方が手軽です。難しいことを知らない人でも使えます。
またSkypeのように通常ならばTorで使えないソフトも使うことができます。まあMicrosoft自体がどちらかというと信用できない部類に入りますが・・。
anonabox3
なお購入するとwebサイトに名前を載せてくれるとのことですが、載せないこともできます。載せないようにしてほしいという問い合わせが多くて開発者は驚いたとのことです。

Torとは

Torとは、P2P技術を使って通信を匿名化するシステムです。パソコン遠隔操作事件でも使われていたので名前を知っている人も多いのではないでしょうか。
インターネット上でWebサイトにアクセスすると、通常ならばIPアドレスによってどこから発信したのかわかります。通常ならばIPアドレスがわかっただけでは個人名までは特定できないので問題にはなりません。しかしアメリカの省庁であるNSAは、IPアドレスから個人を特定し、不必要なプライバシーの侵害を行っていました。
Torは発信元のIPアドレスをわからないようにします。これによりNSAのような検閲から自分を守ることができます。中国政府もインターネット検閲システム(金盾)を持っており、そういったものをかいくぐるのにも使えます。その反面、悪用されるとパソコン遠隔操作事件のようなことが起きてしまいます。
ただTor自体はanonabox以前から存在しています。anonaboxが特に問題というよりも、Torの存在の方が問題でしょう。

まとめ

anonabox(アノーナボックス)は、TorというP2P技術を使って、匿名で通信できるルーターです。
お値段は$51+送料$15で、$66(約7,000円)です。
2014/11/12まで注文受付中です。
https://www.kickstarter.com/projects/augustgermar/anonabox-a-tor-hardware-router

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