米Bose株式会社が試作製品をIndiegogoに掲載。音を遮って安眠するグッズ | Bose noise-masking sleepbuds

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ヘッドフォンなどで有名なアメリカのBose株式会社が、Indiegogoに新製品のプロトタイプを載せました。今回は遮音グッズです。

Bose noise-masking sleepbudsとは

Boseはオーディオ製品を作っている会社です。ノイズキャンセリング機能付きヘッドフォンなどで有名です。
従来のBoseは、スピーカーにしろヘッドフォンにしろ、音楽を聴いて楽しむための製品を作ってきました。
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しかし今回のBose noise-masking sleepbudsは目的が異なります。一見するとイヤホンに見えますが、実は安眠するために周りの音を遮断するため道具です。
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今回は今までの同社の製品のように音を聞くことが目的ではなく、聞かないのが目的です。これはBoseにとっては新しい分野です。そこで新製品を作るにあたってIndiegogoを活用しよう、というのが今回のクラウドファンディングの目的です。
Boseは通常、自分たちで製品を使ってみるという方法で開発を行っている。ヘッドフォンのような一般向け製品とその市場に関しては熟知しており、長年うまくやってきた。しかし今回は今までと違うことをするので、別のやり方があるのではないか? Boseはそう語っています。
具体的には、今回のIndiegogoプロジェクトで実際にこのsleepbudsを使ってもらい、ユーザーから寄せられた意見をもとに最終製品を作ります。そのため今回のものは最終製品ではなく、試作品という位置づけです。
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試作品ではありますが、無料ではなく有料です。しかしながらこの方法のほうが、熱心なユーザーが集められるはずだと同社は考えています。わざわざお金を出そうというユーザーならば、実際に騒音が原因で眠れなくて困っている可能性が高い。より有益なフィードバックが寄せられるに違いないというわけです。
最終製品ではありませんが、その代わり今回は割引価格にしているとのことです。
確かに無料ならば特に音で困っていない人も集まってしまうでしょう。それでは製品の意見を集めるという目的を達成できません。また3000個に限定していることからも、販売が目的ではないことがうかがえます。
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なぜ耳栓やノイズキャンセリングではないのか

Bose noise-masking sleepbudsは、耳の中にいれて使います。ケーブルはないので絡まりません。これをつけて寝ることで安眠しようというグッズです。
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このsleepbudsは、何らかの音で熟睡できない、という人のために作られています。犬や猫(野良含む)の鳴き声であったり、車の音、ホテルの隣室や隣の家の騒音です。特にBoseが強調しているのが、いびきです。
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Boseはノイズキャンセリング機能つきヘッドフォンを販売しています。周囲の音を打ち消すような音を発生させることで、音を聞こえなくするという方法です。今回のsleepbudsはあえてその方法をとらず、違う方法を使っています。
sleepbudsが行っているのは、別の音を鳴らすことで周囲の音が気にならないようにする、ノイズマスキングというものです。滝の音、海の音、雨音、川の音、風の音など10種類の音がsleepbudsの中に内蔵されています。
これらの音を聞くことで、いびきなどの音に人間の注意がむかないようにする。結果として聞こえないのとおなじような効果がある、というのが狙いです。
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鳴らす音と音量は、スマートフォンのアプリから設定することができます。Bluetooth Low Enegeryで接続します。
ただし鳴らす音は内蔵された10種類の音に限定されています。自分の好きな音楽などを鳴らすことはできません。これはバッテリーを一晩中持たせるためです。
もしスマートフォンからBluetoothでリアルタイムに音楽を送信してしまうと、バッテリーの消費が激しくなります。例えばケーブルのない完全ワイヤレスのイヤホンは、バッテリーの持ちは3から4時間ぐらいです。一晩中鳴らすにはバッテリーが足りません。しかし耳の中に入れるという性質上、バッテリーを大きくすることもできません。
sleepbudsは音のデータを内蔵しています。そのため、再生のためにBluetoothで通信してバッテリーを消費する、ということを避けられるようになっています。
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バッテリー消費を下げるのはわかりましたが、なぜ音を再生するノイズマスキング方式なのでしょうか。通信を避けるだけならば、周りの音と反対の音を出して相殺するノイズキャンセリング方式でもよいはずです。そもそも耳栓ではだめなのでしょうか。これならバッテリー消費はゼロです。
Boseによれば、耳栓のような遮音効果と、音を相殺するノイズキャンセリングを組み合わせても、人の声を完全に消すことはできない。小さくすことはできても多少は聞こえてしまう。そこで今回のような方式をとったのだ、と説明しています。
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Boseのノイズキャンセリングヘッドフォンは、飛行機の中の騒音であったり、エアコンのゴゴゴ・・・というような低音にはかなり強い。しかし人の声はそれよりも高い音なので向いていない、とのことです。
そこで波の音などを鳴らすことで気にならないようにする、ノイズマスキング方式を選んだというのが理由です。
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ノイズマスキングをするにしても、何も耳の中で鳴らさなくてよいのではないか。例えば耳栓+スピーカーから再生でもいいのではないか?
この方法も悪くないが、いびきの発生源は自分の頭のすぐ隣です。耳栓+スピーカーでは効果が不十分だとのことです。
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sleepbudsの充電は専用ケースに入れて行います。ケーブルレスですが、前述の理由でバッテリーは一晩中持つようになっています。
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音が気にならなくなるのはよいが、目覚まし時計の音はどうするのか? 目覚ましが聞こえなくて寝過ごしてしまうようでは大問題です。そこでsleepbuds自体に目覚まし機能を内蔵しています。指定した時刻になるとアラームが鳴ります。
しかしバッテリーが切れたら目覚まし音もならず、寝過ごす可能性が出てきます。そこでバッテリーがゼロに近づくと、強制的にアラームが鳴って起こすようになっています。スマートフォンとの接続が切れた場合もアラームが鳴らなくなるので、この場合も強制的に音が鳴ります。
火災報知機のような警報が聞こえなくなるのではないか? この点に関しては、警報が聞こえるぐらいの音量にsleepbudsを設定してくださいとのことです。火災警報はものすごく音量が大きいので、気づくとは思いますが。
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このプロジェクトの目的は最終製品に向けての意見を集めることが目的です。ただし好きな音楽を再生するというような、製品のコンセプトから根本的に外れてしまうことまでは考慮できないとのことです。
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プロトタイプの真剣なモニターを集めるというのが目的のためだと思いますが、Boseの説明はとても理路整然としています。なぜBoseがすでに作っているようなノイズキャンセリング方式ではないのか、といったことが細かく説明されており、なるほどと思いました。

まとめ

お値段は$150(約16,900円)です。
現在は発送先がアメリカに限定されています。最終製品は国際展開する予定ですが、今回の段階では手続きなどが煩雑になるため、本国アメリカに限定しているとのことです。
2017/12/7まで支援受付中です。
https://www.indiegogo.com/projects/bose-noise-masking-sleepbuds-sleep-health#/

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