価格4万4千円、低価格で高精細なSLA型を実現した3Dプリンター | Bean 3D(ビーン3D)

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Bean 3D(ビーン3D)は、本体価格4万4千円と、SLA型としてはかなりの低価格を実現した3Dプリンターです。
傾けてはがす独自の機構がおもしろいです。

使い方

2014年、Titan 1という3DプリンターがKickstarterに登場しました。プラスチックを溶かして積層するFDMではなく、液体を光で固めるSLA方式をTitan 1は使用しています。しかし価格が$1,899(現在のレートで約21万円)と高価であるという弱点もありました。


もっと低価格にできないかというユーザーからの声を受けて出来上がったのが、今回のBeanです。価格は$399(約44,500円)と大幅に安くなりました。Titan 1とは性能に違いはありますが、高精細なものを作りやすいSLA方式を使っているという点では同じです。
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Beanは液体の原料を使います。色は複数あります。
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原料をトレイに入れます。
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印刷を開始すると、徐々に下からせりあがってきました。これは何か・・?
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エッフェル塔の土台部分でした。このように上から持ち上げるようにして、物体を生成します。
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Beanは紫色のLEDを使って、下から光を当てています。紫外線ランプでないところが工夫点の一つです。
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液晶パネルを使って、LEDから出る光の一部をさえぎります。一種の影絵です。Beanで使う原料は光を当てると固まる性質を持っており、原料の一部にのみ光を当てることで固め、造形します。
このLED、液晶、可視光硬化原料という組み合わせが、Titan 1からの変更点です。Titan 1の時は紫外線ランプとDLPを使っていました。DLPはプロジェクターで使われることもある方式です。
この部分を広く普及しているLEDと液晶で置き換えたことによって、低価格化が実現しました。スマホを使った3DプリンターONOでも使われている方式です。
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さらに開発元が強調しているのが、液体原料を入れるトレイ周りの工夫点です。
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Beanでは前述の通り、下から上に物体を引っ張ります。しかし固める過程で物体とトレイが張り付いてしまいます。実はここが問題で、引っ張り上げるときに物体を上下から引っ張ることになってしまいます。下はトレイと張り付き、上はアームで引っ張ることになります。これを何度も行うので、余計に問題になります。
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そこでトレイの上にテフロンのフィルムを張っています。フライパンなどで焦げ付きを防止するために使われている素材ですね。このフィルムは消耗品となっており、20から50回使用したら取り換える必要があります。
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そして開発元が特許権を取得したと強調しているのが、傾けて持ち上げるという方法です。下の画像でトレイが傾いていることがわかると思います。(画像はイメージ図)
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一気にトレイと物体をはがそうとすると、それだけ物体が壊れやすくなります。そこでトレイを少しずつ傾けて、ちょっとずつ剥がすという仕組みになっています。
例えば皮膚に張った絆創膏を一気に剥がすと、とても痛いです。しかし少しずつ剥がすとそれほど痛くありません。一気に力が加わらないからです。これに近い理屈です。
トレイは適当に傾けているわけではなくて、モーターで少しずつ持ち上げながら、同時に手ごたえを測定しています。強い力が加わらないよう、手ごたえを見つつ、徐々にはがすというフィードバック制御をしています。
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出来上がりを見ると、SLA方式だけあってなかなかきれいです。アヌビス像ですね。
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アップで見てもきれいです。ペットボトルのように完璧な曲面とはいきませんが、Beanの価格を考えるといいのではないでしょうか。
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渦を巻いているチェスのルークや・・
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網目になった入れ物などの画像が載っています。
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まとめ

お値段は$399(約44,500円)です。送料は別です。
市販時の予定価格は$1,200(約132,700)とのことです。
2017/7/19まで支援受付中です。
https://www.kickstarter.com/projects/kudo3d/bean-3d-printer-the-ultimate-consumer-sla-3d-print/description

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