耳内部が発する音を解析し、パーソナライズしたサウンドを鳴らすヘッドフォン | Nura(ヌーラ)

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Nura(ヌーラ)は、各人に最適な音を鳴らすヘッドフォンです。人間の耳内部から発せられる音を解析しているところが大きな特徴です。

使い方

音の聞こえ方は人によって異なる。Nuraは人に応じて聞こえ方を調整するのだ、と開発元はいいます。
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例えばこちらの女性の場合、低音域に小さなピークがあります。横軸は周波数(音の高さ)、縦軸は感度です。
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一方こちらの男性は、谷型のグラフになっています。つまり同じ音を聴いても、人によっては低音や高音が微妙に強調されてしまったりするじゃないか、というのが開発元の主張です。
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そこで生まれたのが、Nuraです。一見すると普通のヘッドフォンに見えます。しかし実は大きな違いが存在します。
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耳から入った音は、内耳を通って鼓膜を振動させます。
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そして電気信号に変換されて、脳に送られます。
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しかしそれと同時に信号が耳の奥にある蝸牛から送り返されて、耳からも非常にわずかな音が発生しているのだ、と開発元は言います。
そんな現象があったのか・・と思って検索すると、確かにでてきました。きちんと論文として検証された現象のようです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Otoacoustic_emission
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その耳から発せられたかすかな音をNuraに内蔵されているマイクで捉え、解析します。そうすることで、Nuraをつけた人が音をどのように聞いているのかがわかります。
もし中音域の感度がわずかに低いのなら、逆に強調して送ることで最適な音を作ることができる、という仕組みです。
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初めてつけたときは、30秒間のキャリブレーション(調整)が行われます。
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キャリブレーションは初回のみで、次からは不要です。
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人それぞれの耳に調整するということは、別の人がつけてしまうと最適な音で聴くことができません。そこで複数の設定が記憶できるようになっています。Nuraをつけると、前述の音響解析で自動的にユーザーを判別します。
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実際に試してもらった人の感想では、全ての音がすごくシャープだよ、という反応が返ってきました。
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とはいえそういったインタビューは、悪い感想を載せないのが当たり前です。しかもヘッドフォンの音というのは実際に聞いてみないと、いいのか悪いのかわかりません。開発元もそれはわかっていて、今回のKickstarterキャンペーンでは30日以内なら返品を受け付けると明言しています。
返送料がどちら持ちなのかは記載が見当たりませんでしたが、さすがに消費者持ちかと思います。だとしても、かなり思い切った行動です。下手をすると、返品の在庫を抱えて立ちゆかなくなるリスクもあります。しかしそれだけ製品のクオリティに自信があるのだと思います。
そのあたりの行動が響いたのか、現時点でで約6600万円集まっていて目標額を突破しています。
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マイクによる音響解析以外にも、Nuraはおもしろい構造をしています。ヘッドフォンの内部に、さらにイヤホンのようなものがついています。このイヤホン部分を耳にいれて使います。
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なぜこんな面倒なことをしているかというと、高音と低音で分けるためです。外側のヘッドフォン部分では干渉しにくい低音を鳴らし、内側のイヤホン部分では高音を鳴らしています。こうすることでクリアな音が得られるとのことです。
わざわざコストアップになる複雑なことをしているのは、この方がNuraの行っている音響解析の効果が高いのかもしれません。
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さらに二重構造は遮音性の向上にも役立っているとのことです。電車や飛行機の中のようなうるさい環境では役立ちそうです。
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耳の中の音を拾うというアイデアはRippleBudsでも行われていましたが、あちらは会話をするためでした。Nuraは音をパーソナライズするために使うという着眼点がおもしろいと思います。どんなものなのか、一度聞いてみたいです。

まとめ

お値段は$199+$30で、$229(約24,900円)です。
2016/6/15まで支援受付中です。

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