4億円集めた、手のひらに載るドローンを作るプロジェクトが破綻 ZANO

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手のひらに載るサイズの小型無人ヘリ(ドローン)を作ろう、というプロジェクトがありました。ZANOという名前で、2014年11月15日にKickstarterへ掲載されました。
https://www.kickstarter.com/projects/torquing/zano-autonomous-intelligent-swarming-nano-drone
12,075人から約4億円集まりました。このプロジェクトが破綻しました。

何が起こったか

2015/11/18、開発元のTorquing Groupは最新の進捗報告で破綻の報告をしました。
今回の進捗報告は、お金を出した人のみ見られるように設定されています。そのため筆者も見ることができませんでした。
https://www.kickstarter.com/projects/torquing/zano-autonomous-intelligent-swarming-nano-drone/posts/1418526
しかしイギリスの公共放送BBCが伝えるところによると、会社は破綻したとのことです。
http://www.bbc.com/news/technology-34858171
正確には、株主による自主的精算処理(creditors’ voluntary liquidation)です。会社が借金を払えなくなったので(債務が履行できないので)、自ら会社を閉鎖し、残った資産を売り払って借金の返済に充てる、という手続きです。
Kickstarterでお金を出していた人に対する返金は、現在どうなるか不明です。しかし破綻したということは、返金できる可能性はきわめて低いと思われます。
また開発会社の責任者であったIvan Reedmanさんは、健康上の理由と和解しがたい相違(irreconcilable differences)のため会社を辞任しました。

出荷はされていたが・・

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画像出典: BBC
ZANOの開発自体はある程度進んでいました。
しかしBBCの記者が2015年8月に会社を訪問して実際に飛ばしてもらったところ、クオリティが非常に低かったとのことです。
Kickstarterのデモ動画では華麗に飛行していましたが、実際のZANOは飛びはするものの、壁にぶつかったりして完成度はとても低いものだったとBBCの記者は伝えています。
http://www.bbc.com/news/34787404
またお金を出した人に対しても、ZANOはいくつか出荷されていました。全員が受け取ったわけではありませんが、一部の人には出荷されていました。
しかし受け取った人によると、やはり問題が多数あり落胆したということです。

Kickstarterのデモ動画

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Kickstarterのデモ動画ではうまく飛行しており、完成度の高さを伺わせるものでした。しかし実際のZANOは動画とはほど遠いものでした。
これはつまり、デモ動画はねつ造であった、ということに他なりません。加工したのか、飛んでいる場面をうまくつなげたのかわかりませんが、何らかの操作があったことは疑いありません。もちろんKickstarterの規約では禁止されています。

まとめ

・手のひらに載るドローン、ZANOの開発元が破綻した
・約4億円集つめていた。これは非常に高額な部類。
・製品は一部出荷されていたが、デモ動画とはほど遠い完成度だった

コメント

  1. えす より:

    これ引っかかってしまいました・・・。。。
    破産報告は発送予定などのUpdateまで進行していた後にいきなりシンプルな書面が来たので、えっ?何?という感じでした・・・。
    コメント欄も現在も最初から詐欺だったんだ!KS酷い!辞めてやる!など阿鼻叫喚の様相です。クレジット会社やPaypal、KS自体に問題提起しても解決にはならず、change.orgへの署名活動やSNNへのシェアを行っている段階ですね。
    公式の発表もまだあるかもしれませんが、今後は本国イギリスで集団訴訟の展開もありそうです。
    KSは投資のようなものなので、支払った紙屑になることもあるということ、身を持って体感してしまいました。。backする時は慎重に、「本心から支援したいプロダクトなのか?」を自分に問うた方がいいですね。

    • 管理人 より:

      これは私もお金を出そうか迷っていたので、驚きました。元々Anuraというドローンにお金を出そうとしていたのですが、そちらは自主的にキャンセルになってしまいましたが…。