1億円超えのIndiegogoプロジェクトが頓挫。全額返金は不可能 | Robot Dragonfly

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Robot Dragonflyというプロジェクトがありました。Indiegogoに掲載されており、2012/12/31に受け付けの期限を迎えたプロジェクトでした。

https://www.indiegogo.com/projects/robot-dragonfly-micro-aerial-vehicle#/story

このプロジェクトが頓挫し、事実上、続行不能に陥りました。

プロジェクトの内容

Robot Dragonfly(ロボットトンボ)は、名前の通りトンボのように羽ばたくロボットを作ろうというプロジェクトでした。Indiegogoで支援を募り、最終的に3203人から約1億3900万円(114万ドル)集まりました。かなりの金額です。

完成していれば、羽根で羽ばたいてホバリングするという新しい機構を持った無人機になるはずでした。

小型ラジコンヘリはだいぶん以前からありますが、ヘリと違って羽ばたく方式はバランスの取り方などが難しいです。

またモーターの回転運動を、羽根の上下という往復運動に変換しないといけません。この点もプロペラを回すのよりも難しいです。

これが挑戦であり、そして失敗の原因でもありました。

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何が起こったか?

Indiegogoの受付終了後、開発が始まりました。しかし開発は難航し、なかなか思うように進展しませんでした。

この間、お金を出した人からは矢のような催促がきています。

それに答える形で、2014/5/9の時点で、羽根を動かすところまではできました。

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しかしPayPalとIndiegogoからは、プロジェクトの進展を示せない限り、集めたお金の全額は渡せないと通告されていました。

Indiegogoで1億円以上集まりましたが、プロジェクト責任者はそのうちの一部だけ使うことができました。一部というのがいくらだったか、具体的な額は公表されていません。

なぜ頓挫したか?

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最終的に開発資金が尽きて、プロジェクトは頓挫しました。開発の進展はありましたが、完成には至りませんでした。作った設計データは公開するとのことです。

責任者からの発表ではまだプロジェクトは完全に終わったわけではなく、何らかの資金提供があれば続行するとのことです。

しかしそれはきわめて難しいと思われます。トンボロボット自体は確かにおもしろいかもしれません。

しかし興味を持った資金提供者や事業者が居たとしても、新たにチームを作って開始するのではないでしょうか。資金不足とはいえ、実力あるメカエンジニアが居なかったということはプロジェクト側も認めているところです。

“Attributed to lack of actual engineers due to non-approval from PayPal to support the Mechanical development”

(強調は筆者による)

資金が全額渡されなかったことに対して、プロジェクト責任者は強い恨みを表明しています。1億円あればプロジェクトは頓挫しなかったはずだ、と言外に示唆しています。

PayPalの措置は妥当か?

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PayPal(資金決済会社)とIndiegogoからは、資金の全額は渡されないと通告されていました。

プロジェクトには一部のみ支払われます。進展を示さなければ、将来の支払いは保証されません。

It will be paid in parts to the program and no guarantees about future payments until progress is shown

3年前の規約はわかりませんが、現状でもいつ支払われるか、は規定がありません。3年前にも規定はなかったとして、支払いを先に延ばすことは許されるでしょうか?

契約に書いていないことは当事者同士で相談して決めます。それで決着がつかなければ、裁判所に持ち込めば白黒をつけてくれます。

では裁判所がどう判断するかですが、契約の一般論として、相手が義務を果たしていない場合、自分もお金を払う必要はありません。

>反対当事者は自らの債務の履行を留保できる
英米法資料(2012.7.23)
http://www2.kobe-u.ac.jp/~emaruyam/law/faculty/2012/PDF/120723memo.pdf

この場合の相手側の義務とは、開発がきちんと進行していることです。このことを考えると、PayPalの支払い留保は妥当だと裁判所が判断するのではないか、と筆者は思います。(ただしこれは簡略化した検討で、実際は陪審の有無などがあって、もっと話はややこしいです)

これからどうなるか?

PayPalが支払いを留保した分に関しては、まだPayPalがお金を持っています。この部分に関してはPayPal側からお金を出した人に対して払い戻しが行われるのではないか、と思います。

しかし既にプロジェクト側に支払われた分は戻ってこないでしょう。試作などに使ったためです。

結果は当事者以外には公表されないと思うので確証はないですが、おそらくそうなると思います。

まとめ

・Indiegogoで1億円集めたプロジェクトが頓挫した
・PayPalは一部支払いを留保していた
・少なくとも、全額返金することは不可能

【参考】Kickstarterで支援時、必ず知っておくべきこと


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