Kickstarterでは不可能な、出資できるクラウドファンディングとは?

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クラウドファンディングというと、まず思い浮かぶのはKickstarterではないでしょうか。あまり知られていませんが、実はKickstarterのような報酬型のサイト以外のものも存在します。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングにはいくつか種類があります。Kickstarterは支援すると何らかの報酬がもらえるという報酬型のサイトです。一方でお金を出すと株がもらえて株主になれるという、出資型のサイトというのも存在します。
簡単に整理すると、以下のようになります。もらえるものが違う、というのが最大の相違点です。
支援/報酬型
・例: Kickstarter(アメリカ)、Indiegogo(アメリカ)、Makuake(日本)など
・不特定多数からお金を集める
・もらえるもの: 完成版の商品、公演のチケット、記念Tシャツなど
出資型
・例: Companisto(ドイツ)、Crowdcube(イギリス)、Seedrs(イギリス)など
・不特定多数からお金を集める
・もらえるもの: 株券または債券

出資型クラウドファンディング

出資型クラウドファンディングでは、スタートアップ企業にお金を出します。その見返りとして株券がもらえるという仕組みです。もし出資した会社が儲かったり、株式市場に上場すれば、最初にお金を出していた人は大きな利益を得ることができます。
またCompanistoでは、株券だけでなく、債券が得られる場合もあります。スタートアップ企業にお金を貸して、利息を得られるという仕組みです。
出資型のサイトは、equity(株主資本) crowdfundingと呼ばれています。債権はequityではなくdebt(デット)ですが、Companistoのように両方扱っているサイトがあります。
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プロジェクトの例

このようなクラウドファンディングで行われたプロジェクトの例として、Gut Weißenhaus(Good white house)という宮殿の改築があります。Companistoというサイトで750万ユーロ(約10億円)集め、そのお金で宮殿を観光地として客を呼べるようにするという不動産開発です。
このプロジェクトの場合、お金を貸して利息がもらえるという方式でした。
https://www.companisto.com/en/startups/weissenhaus-startup-36/overview
Weißenhaus(白い家)という名前の通り、白いです。画像出典: Wikipedia
weissenhaus
別の例として、サッカーボール型のカメラPanonoというものがあります。
Panono2
真上、真下を含めた完全に全方向撮れるサッカーボール型のカメラ Panono(パノーノ)
Panonoは以前Kickstarterで掲載されていました。Kickstarterの時は、お金を出した人に実際の製品を渡すという方式でした。
一方でクラウドファンディングサイトCompanistoにも、プロジェクトを掲載していました。Companistoではお金を出した人に、会社の株券を渡すという方式でした。
https://www.companisto.com/en/startups/panono-startup-38/overview

Kickstarterでは

このように投資をできるサイトもあるのですが、KickstarterとIndiegogoでは禁止されています。(2015年10月時点) 報酬(rewards)に株を含めることはできないというルールになっています。

リスク

このような出資型クラウドファンディングのリスクはどのぐらいあるのでしょうか。
まず考えられるリスクとして、お金が持ち逃げされるリスクです。これはクラウドファンディング共通のリスクです。
次にあるのが、会社自体が頓挫するリスクです。事業である以上、頑張ってもうまくいかないということは起こります。これも報酬として商品を渡すサイトにも同じことが言えます。しかし商品を渡すサイトよりもリスクは高くなります。
例えば前述したような不動産開発の場合、年単位で継続して利益を出せなければ元手を回収できません。商品をもらえばひとまず完結する場合に比べると、よりリスクは高いです。
総合的に考えると相当大きなリスクがあるのではないかと思います。現状でスタートアップ企業にお金を出したい場合は、東証マザーズなどの方がよいのではないかと個人的には思います。

まとめ

・株券、債券がもらえるクラウドファンディングサイトがある
・投資先は不動産開発、スタートアップ企業など
・リスクはかなりあると思われる

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